飛び込み営業は、AIに「置き換わらない」仕事【no.2200】
仕事でAIを使う機会が増えてきました。ECMJコラムを読んでくれている皆さんも、少しずつAIを使う機会が増えてきたのではないかと思います。
*AIに「置き換わらない仕事」とは?
AIの使い方はさまざまです。私はどちらかというと「まだAIは仕事に使えるレベルではない」という考え方ではあるのですが、自分の経験に偏りがちな発想を拡げてくれるテクノロジーではあるんですよね。アイデア出しの壁打ち相手として活用しています。
今後、あらゆる仕事におけるAI活用は「逃れられない現実」になってきます。上流から下流に流れる川の流れのように、逆流することはありません。さらに、既存の仕事においてAIに置き換わる部分は増えますし、AIだからこそできる新しい仕事も生まれてくるでしょう。そう考えるとやはり、AIに「置き換わらない仕事」とは何なのか、を普段の生活からも意識せざるを得ないところです。
*毎年恒例の飛び込み営業
先日、毎年恒例の飛び込み営業の仕事をやってきました。ちょうど先週の過去コラムでも掲載されていた仕事です。大学生に飛び込みで就職セミナーの案内チラシを渡すのです。しかも、大学の教室を回って。
少し勇気のいる仕事です。まず教室のドアをノックするところから緊張するのです。学生さんは私よりも20コ近く年下ですが、そんなことは関係ないのです。すんなり「採用関連の方ですね」と受け入れてくれる学生さんもいれば、露骨に怪訝な顔をする学生さんもいます。社会人に慣れていない年齢ですから、当然だと思います。「どんな反応をされるのか」「教室の中には何人いるのか(多い方が難易度が高い)」を不安に思いつつ、ドアをノックするのです。
*今後、付加価値が上がる仕事
この仕事。ECMJが創業からお世話になっている方からの依頼ということもありますが、もうひとつ受けている理由があります。飛び込み営業という、「多くの人がやりたくない」「勇気と度胸が必要」「地道に一件一件、一人一人と話していく」仕事をすることで、自分自身に普段は感じられない自信を持つためなのです。「自分はこんな仕事もできるんだ。だから大丈夫だ」という。
営業の仕事はおそらくAIに「置き換わる」ことがない仕事です。今後、AI化はもちろんデジタル化が進んでいく中で、「リアルに人と接する」仕事はより付加価値が高いものになっていきます。なぜなら、オンラインで完結した方が「楽だから」です。私自身、ECを中心としたデジタルのマーケティングのコンサルティングを仕事にしていますが、「いかにリアルを絡ませ、付加価値を出すか」がポイントになると考えています。とくに、「飛び込み営業」なんて、今後は付加価値が上がる仕事のひとつでしょう。
昨年の10月ごろからでしょうか。友人が立ち上げた会社をお手伝いしています。友人も20年ほどEC業界にいる人間ですから、それなりのコネクションをもっています。ポチポチと仕事も入っており、すでに単月黒字に到達しているのですが、ここからさらに会社の体制を強化したいと考えています。そこで、友人に課している(私が課す側なのですが笑)のが、1,000社とのコネクションづくりです。月30件を目標とし、3年をかけて1,000社との新規のアポイントを入れるのです。
*他はAIに任せて、得意分野に徹底する
立ち上げたばかりの会社ですから、見込顧客からこちらに連絡が入ることはほぼありません。ただ、過去にコネクションのある会社はそれなりにあります。こちらからアプローチをして、1,000社と1対1で30分~1時間話していくのです。目標の月30件は、見込顧客側からの連絡も含まれます。つまり、最初はこちらからのアプローチのみですが、徐々に見込顧客側からのアプローチを拡げ、見込顧客だけで月30件の新規のアポイントが入る状況を作れればよいのです。その状態がつくれれば、我々の「勝ち」です。
この1,000件とコネクションをつくる仕事。この仕事もいわば営業活動なわけですが、AIには絶対に「置き換わらない」仕事です。自分の得意分野ははたしてどこか、そしてAIに置き換わらないか。それを見つけたならば、他の仕事はAIに任せて、得意分野に徹底するのです。これからの時代の仕事のポイントかもしれません。
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