続けるコツは、まず「続けよう」と思うこと【no.2197】
何か特別な要因があるわけではなく、「続けようと思うから続く」という話。
先日、私が所属している団体の定例会の後、その日の講師(同い年)と食事にいった。この講師は、地方で事業を営む経営者であり、これまでの事業の変遷や自分の想いを講演で話してもらったのだ。今回は私が講師のアテンド役でもあった。
*会社が続いたら、ですけどね
食事の最中、聞けばもう間もなくこの所属団体の要職に就くことが決まっているというのだ。いわゆる「支部代表」ということになる。講師が所属する都道府県の現在の支部代表は70歳以上の方だ。それが44歳の若手経営者に代表の座をゆずるという、とんでもない抜擢になる。当然、現支部代表とこの経営者の間には、何十人もの団体の会員がいるはずだ。かなりの人数をすっ飛ばすことになる。
また、この団体の支部代表は基本的にその役目を継続することが多い。仮に、現支部代表が74歳だとして、この経営者も74歳まで支部代表を務めるならば、この2025年から30年間、支部代表を務めることになる。若手の抜擢という点でも異例なことだが、30年間の支部代表の役目が待っているというのも異例中の異例になる。「まあ、もちろん、会社が続いたら、ですけどね」。講師はそう言って笑っていた。
*続けようと思うから続く
そうなのだ。「会社が続けば」なのだ。小さくても自分で何かの事業を営んでいる人なら共感してもらえると思う。「事業(会社)が続けば」が何事にも枕詞としてつく。「会社が続く」ことを前提として、お客様や世の中から役目をいただいている。「ウチの会社は私が辞めるまで安泰です」なんて会社は、もしかしたらあるのかもしれないが、危機感がないという意味で逆にかなり危ないとも思う。誰しも「会社が続けば」の前提の中でもがき、いただいた役目を果たしているのだ。
「まあ、もちろん、会社が続いたら、ですけどね」。この経営者は謙遜してそう言うが、おそらく会社は続くと思う。それは、この経営者が特別有能だからではなく、営むビジネスが恐ろしく強いからでもなく、異常な高収益を掴んでいるからでもない。「続けようと思うから続く」わけだ。これから様々な困難や葛藤が待ち受けているだろうが、どうにかして突破しようとするだろう。事業を続ける、支部代表を続けるために行動を続けていくだろう。ここではあえて努力とは表現しない、行動を続けることで、会社を続けていくと思う。
*「続けよう」という気持ちがあってこそ
なぜならば、これまで会社を続けてきたからだ。これこそが私が「続く」だろうと思う理由だ。この経営者はすでに10年以上、自分の事業を続けている。これまでだって、困難や葛藤がなかったわけではないだろう。むしろ、会社を立ち上げたばかりの時期こそ、思い悩み、「続けられるかどうか」が見えなかったはずだ。
会社を続けられた要因としては、もしかしたら経営者が有能に成長したからとか、営むビジネスが恐ろしく強くなったからとか、異常な高収益を掴んだからとか、生み出した何かがあるのかもしれないが、これらも全て「続けようとした」結果として生まれたものなのだ。「続けよう」という気持ちがなければ、新しいアイデアや改善につながる仮説、そして前に進む行動自体も生まれてこない。
*「まだまだいける」と「もうダメだ」
その昔、ボクシングの世界チャンピオンが言っていた、試合中に考える「たったふたつ」のこと【no.0821】というコラムを書いたのを思い出した。2015年のコラムなので、もう10年近く前になる。そう、ボクシングの選手が試合中に考えることはたったふたつしかない。「まだまだいける」と「もうダメだ」だというのだ。このふたつの気持ちとの戦いだというのだ。
今回のテーマである、「続けようと思うから続く」と「まだまだいける」「もうダメだ」はどこか似ている。自分が思う道を進むならば、「もうダメだ」の気持ちになることもあるだろう。ただ、「まだまだいける」を考え行動すれば道は見えてくる。やっぱり「続けようと思うから続く」わけなのだ。
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