ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

理想と現実、リソースを整理し、今日の1歩を考える仕事【no.2196】

 仕事において何かの目標を達成したいとき、理想と現実があり、そして資源(リソース)があります。理想と現実の距離が遠く離れていて、かつリソースが十分でなかったとしても、我々は目標に到達するために1歩1歩足を運んでいかなければいけません。

 この理想と現実、そしてリソースのギャップを整理し、前に進む1歩を時に一緒に実行しながら考え続けること、これがコンサルティングという仕事ではないかと思っています。今回のECMJコラムは、こんな話です。

*どの会社にもどの人にも「理想」はある

 既存のビジネスがどこか上手くいかない。刺激を与えたい。新しいビジネスにチャレンジしたい。コンサルティングという仕事は、どちらかというと「上手くいっている」状態よりも、「困っている」状態の方が依頼がきやすい仕事です。当然ちゃ当然ですよね。

 とくにECMJの場合は、「マーケティングの内製化」のコンサルティングをおこなっているわけですが、この「マーケティング」という動き自体を「考えたこともなかった」「経験したこともなかった」という会社さんが多くあります。

 先日のECMJコラム(no.2914no.2915)でも書いたとおり、マーケティングとは「顧客を理解し、顧客に合った製品やサービスが自然に売れるようにすること(ドラッカー先生)」を指すので、どの会社さんも少なからず取り組んでいるはずです。ただ、既存ビジネスの改善、新規ビジネスの立ち上げ、というと「どこからどう手を付けていけばいいのかがわからない」わけなのです。

 しかし、既存ビジネスの改善の必要性を感じている、もしくは新規ビジネスの立ち上げを担っている経営者・事業責任者・スタッフのみなさんには「理想」はあります。「日本で一番の会社になる」「年商100億円を目指す」「株式上場をする」など、というと少し目標が大きいですが、「理想」があるのです。

*理想と現実を結んで「線」にする

 「理想」はある。ただ、理想に到達するためにどこから手をつけていけばわからない。ただ、「理想」はある。そのような状態であるわけですが、どこからどう今日の1歩、明日の1歩を歩んでいくかは理想からだけでは逆算することができません。理想はひとつの点なので、もうひとつの点と結んで「線」にしなければいけません。この点が「現実」です。

 理想と現実を結んだ線こそ、歩んでいく道であり、ギャップであり、課題です。このギャップをいかにして埋めていくかが「戦略」となるわけですが、戦略は無限の色でキャンバスに描けるようなものではありません。なぜなら、どの会社でも「リソース(資源)」は限られているからです。ヒト・モノ・カネ・情報。持っている手札は会社によって異なります。ちょうど、色鉛筆で使える色が限られているような状態です。すべての色は残念ですが使えません。

*ヒアリングが大切な理由

 理想と現実がわかれば、目標までの距離がわかる。リソースがわかれば、どのような「戦略」が組めるかを考えることができ、そして今日と明日の1歩を決めることができる。これをおこなうのがコンサルタントの役目です。そして、ここで重要なポイントになるのが、「現実」をいかに知るか、リソースをいかに理解するか。だからこそ、「ヒアリング」が大切であり、ヒアリングがなければ会社に合った画を描くことはできます。

 もちろん、現在地(現実)とリソースの状況によっては、「理想に到達するための戦略を描くことが困難です」というケースもあります。一見、ネガティブな状況に見えますが、このケースの場合は「理想を一旦近づける」もしくは「リソースの見直しをおこなう」ことによって、ポジティブな状況に変えることができます。頂上を、目指すよりまず3合目を目指そう。3合目に確実に到達できるための装備に変更しよう。こんな感じです。

 「理想に到達するための戦略を描くことが困難です」。ここでは敢えて「不可能です」とは書きませんでした。自分(自社)を変え続けることができれば、少なくとも1%くらいは、何事も可能性があると思うからです。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 2.Eコマースを続ける, 4.Eコマースの人財育成, 8.Eコマースの集客

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから