ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

マーケティングの土台づくりの要点と手順。前半【no.2194】

 これまでマーケティングというマーケティングに取り組んだことがない会社がBtoBのマーケティングに取り組む際、いきなり展示会の出展やインターネット広告に手を出すのではなく、まずはマーケティングに取り組むための土台づくりをすることが肝心です。

 なんかマーケティングマーケティング書いていると読みづらいですね。ご容赦ください。また、マーケティングとは「顧客を理解し、顧客に合った製品やサービスが自然に売れるようにすること(ドラッカー先生)」なので、本来少なからずどの会社も取り組んでいるはずなのです。今回のコラムでは、主に「新規顧客獲得」の意味合いが強いカタチで書いていきます。

*土台づくりのふたつの目的

 BtoBのマーケティングの土台づくりをおこなう目的は主にふたつです。

 ひとつは、人材と組織の形成。簡単にいえば、マーケティングチームとして誰を選ぶか、プロジェクトチームをいかに組織するか。マーケティングチームの社内的な位置づけをどうするか。どのような形式でマーケティングチームは業務を進めていくか。そして、マーケティングチームに所属することでの評価をいかにしておこなうか。経営者が「君はこれからマーケティングチームの一員だ、頑張ってくれ!」といっても、「はいわかりました」にはならないですよね。

 もうひとつは、マーケティングのロードマップの形成。チャレンジする市場と顧客、製品、期間とコスト、手段と指標をおおまかなスケジュールに落とし込んでいきます。経験上、ロードマップどおりに100%事は進まないのですが、上記に挙げた検討事項を一度網羅して、全体感を掴むということに意味があると考えるべきでしょう。絵に描いた餅でいいのです。絵に描いた餅になる可能性もあることを理解しているのならば。市場と競合は常に変化をしているのですから、絵にかいた通りになる方が怖いのです。

*現状把握が大切である理由

 マーケティングの土台づくりをするために整理しておきたいのが、「現状把握」です。つまり、これまでの会社の経験値や価値、リソースとアセットを一旦机上に出すのです。これからマーケティングを展開していくとき、会社のこれまでの蓄積からマーケットの狙いどころや施策の内容、進捗させる順番を決めていくのです。

 なぜなら、会社はいきなり変われないからです。

 たまに壮大な目標を掲げる経営者がいます。いま会社を立ち上げ、これからメンバーを集めていくスタートアップの経営者ならば壮大な目標を掲げるのは良いのですが、これまで何十年と既存のビジネスを継続してこられ、スタッフ・従業員も何十人・何百人もいる会社の経営者が、突然壮大な目標を掲げるのは若干の違和感があります。

 自社のリソースと、ズレているのです。理想は理想で良いのですが、現実があります。そして、リソースがあります。壮大な目標に近づくために、現状のリソースの大多数を討ち死にさせる気があるのならば別ですが、現有の戦力を上手く回しながら理想に近づけたい、は通用しません。100億円の売上をつくりたいけど、50億円分の在庫を持つのは嫌だ、というようなものです。スタッフを総とっかえするわけにはいかないわけですから、やはり「現状把握」から入っていかざるを得ないのです。

*過去のチャレンジを振り返ろう

 現状把握として机上に出したい履歴はいくつかあります。かいつまんで紹介をしていきたいと思います。

 まずは過去のマーケティング履歴です。本格的にマーケティングに取り組んでいくのがこれからでも、実は過去に何らかのマーケティング的なチャレンジをしたことがある会社さんは多いのではないでしょか。自社サービスの提供であったり、展示会やイベントなどの出展、広告出稿などです。単発でおこなって、会社にほぼ履歴も残っていないけれど、チャレンジしたことがある。そんなマーケティング履歴があるのではないでしょうか。

 後半につづく。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから