ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

LINE公式アカウントの登録者数は、ブランド価値の指標【no.2193】

 ECMJが加盟している業界団体で理事の改選がありました。今回の改選で、私も新理事として指名をいただいたのですが、その他にも初めて理事になる方が数人。はじめての理事会の後の懇親会で、理事のLINEグループをつくることになりました。

*とんでもないLINEの普及率

 懇親会が中盤にはいった頃、理事の2-3名がお酒の入った勢いで「LINEグループをつくろう」といいはじめました。懇親会の卓をひと卓ひと卓回って、LINEグループの参加の仕方を教えていきます。

 6-7名の卓が5つほどありましたから、理事の人数は30名強でしょうか。年齢構成は私が最年少で44歳、40代の方が6名ほど、50代の方が10名ほど、60代の方が10名ほど、そして70代以上の方も10名弱おられます。その方々にひとりひとりLINEグループに参加してもらうわけです。「ん、これ、どうやるの?」「できたできた!」なんて声が聞こえ、続々グループのメンバーが増えていきます。

 何がすごいって、理事会に参加していた40代~70代以上の方、全員が携帯電話にLINEのアプリを入れていたことです。失礼ながら、ITリテラシーをあまり必要としなそうな業種の方(IT業界はめちゃくちゃ少数派)も、プライベートではLINEを使っているのです。理事会でのユーザー率は100%。LINEの普及率はとんでもないのです。

*既読率もとんでもないLINE

 そしてもう一点。LINEの既読率です。理事会でLINEグループを作った後、しばらくグループの投稿が活性化していました(今では理事会前後の利用ですが‥)。理事のLINEグループに投稿した内容は、ほぼ100%が閲覧するのです。自分の投稿に「既読」がつくのは皆さんご存じでしょう。あの既読数がほぼLINEグループの人数になるのです。これまた失礼ですが、70代以上の方もしっかりと既読してくれるのです。

 たとえば、ECMJが不定期で発行しているメルマガ。もしかしたらこのコラムを読んでいる方にも配信されているかもしれません。あのメルマガの開封率は「45%前後」です。ただ、あくまで開封率です。メールの件名をクリックしただけで、内容は読んでいない。自らを顧みればこういうケースもあると思います。それに対して、LINEの場合は件名がなくすぐにメッセージがきますから、内容が閲覧される可能性はメールより高いと推測されます。

 もちろん、「自分が興味がある、自分に必要な情報」を提供するLINEグループでなければ、LINEグループの追加も投稿の閲覧もおこなわないでしょう。逆にいえば、サービスを提供する側にとって、LINE公式アカウントに参加してくれるか否かは、SNSのフォロワーより強い「自社のファン」を測る指標になるわけです。XやInstagramのフォロワーよりも、LINE公式アカウントのメンバーの方が、サービスとの繋がりが強いイメージ、なんとなくわかりますよね。

*「熱」をお客様と一緒に広げる

 先日、とあるブランドでLINE公式アカウントをスタートしました。これまで特段のマーケティングをせず、特定の方々だけに商品を販売していたブランドです。商品の対象顧客は60代以上のシニアの皆さん。少し健康器具的な効果もある商品です。これまで、購入いただいた皆さんには半期に一度、紙のダイレクトメールをお送りしていたのですが、今回そのダイレクトメールに「LINE公式アカウントの開設告知と追加方法」を封入しました。

 今回のダイレクトメールで、LINE公式アカウントに登録してくれたお客様は、送付数に対しての5%強。シニアのお客様ばかりの中で、これはなかなかの成果だと思いました。LINE公式アカウントに特典を付けたわけでもないですし、おそらく純粋にブランドを応援してくれるお客様です。これからこのお客様と一緒に、どんなブランドをつくっていけるかが楽しみです。

 多様化の時代、たとえ少なくとも熱烈なファン・フォロワーをつくることが重要です。そしてその「熱」をリアルとネットからいかにお客様と一緒に広げていくか、これが現代のマーケティングのポイントになります。スピードやデータの時代なのに、地道で時間と手間のかかることがポイントって、なんだか面白いですよね。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから