ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ホームページを刷新する際に考えること。後【no.2183】

(前回、【no.2182】のつづきです)

 ECMJが所属している団体のホームぺージを刷新することになりました。ホームページ刷新の目的は「新規会員の獲得」。まずはホームページの対象者を①~③の3つに整理しました。②と③は新規会員というセグメントは一緒ながら、そのアプローチはまったく異なります。今回はあくまで「完全新規」の獲得を狙う、③を対象にしたホームページ設計をすることになりました。というのが、前回の話。

*「団体」を「自社名」に変換してみよう

 今回は、現状①の状態を③にレベルアップさせるにあたり、なにが必要か。

 まず、前提としてホームページが対象とする①~③を再度紹介します。

 ①この団体のことを知っており、この団体の会員になっている企業

 ②この団体のことを知っているが、この団体の会員にはなっていない企業

 ③この団体のことを知らないが、この団体に参加することで解決できる課題を抱えている企業

 この3つの対象はどの企業のホームページにも当てはまることです。「この団体」という言葉を「自社の会社名」に変換してみてください。あなたの会社のホームページは①~③のどのセグメントを対象にしているか、また、その対象に沿ったWEB戦略を展開できているのか。いま一度考えてみてください。

*本当の課題は「理解」してもらうこと

 今回、③の完全新規を対象とすると、「何かしらのカタチで完全新規のユーザーをホームページに呼び込む施策」が必要になります。ECMJコラムを読んでくれている皆さんはご存じのとおり、広告戦略・検索対策・メディア施策がここに当たるわけですが、大切なのはこれを団体の理事の皆さんに理解してもらうことでした。

 これ、同じようなことがみなさんの会社内でも起こっていませんか?

 デジタルを活用したマーケティングの理論がある。現場のみなさんはどのような手法を取ればいいか、それなりに理解している。ただ、それを上長や役員陣にプレゼンする際に、前提情報をどこから話せばいいのか納得してもらえるかがわからない。実は、「正しい方法を知っているか」「正しい戦略を組み立てられるか」よりも、デジタルの知識が十分でないステークホルダーの皆さんに「いかに理解し、納得してもらうか」ここの方がプロジェクトを進めるポイントになるわけです。

 今回、「完全新規」である③を対象にするにあたり、私は「検索対策が有効であること」そのためには「テキストコンテンツを増やす必要があること」このふたつを中心に説明をしました。たとえば、③の対象者が「事業承継」や「ファミリービジネス」という言葉で検索をしたときに、団体のホームページを検索にヒットさせるような仕掛けです。幸いなことに団体には定期的な刊行物がいくつかあり、そのテキストを新しいホームページのコンテンツとして活用できることになりました。

*コンテンツを充実させることの効果は?

 ただ、です。正直にいえば、これらのテキストをホームページに掲載したとて、「焼け石に水」の可能性はあります。昨今、「事業承継」や「M&A」は専門会社の大きなトレンドですから、世の中には集客にウン千万、ウン億とお金をかけている会社があるわけです。それらの会社に簡単に勝てるわけがない。「事業承継 悩み 飲食店 親子」くらいの検索の深堀りをしてくれる方なら、我々の団体のホームページにいきついてくれるという期待はあります。

 あくまで③向けにホームページを運営していくわけですが、実は本当に影響が出るのは③の「完全新規」の方ではないと睨んでいます。先に書いたとおり、莫大な予算をかけている会社には完全新規の獲得で勝てるわけがない。ただ、ホームページを刷新し、定期的な情報発信をおこなう中で、いい影響が出るのはむしろ②の「この団体のことを知っているが、この団体の会員にはなっていない企業」層じゃないかと思っているんですね。そう考えれば、やはりホームページの刷新は大きな意味があります。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 3.Eコマースの収益アップ, 8.Eコマースの集客

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから