企業がセミナーに登壇する目的は何か?【no.2172】
先日、ECMJが所属している団体のセミナーに参加した。前回(no.2170)のコラムのように、オンラインとオフラインが選択できたのだが、迷わずオフラインを選択。今回のセミナーはGoogleの会議室をお借りした開催で、はじめて渋谷ストリームのGoogle社に潜入することができたわけだ。
*若手社会人ばかりのセミナー
セミナーのテーマは「エンタメ業界のデータマネジメント」。Abemaさん、GENDAさん、バンダイナムコさん、DeNAさんといった、各々異なるジャンルのエンターテイメントサービスを提供する講師が一堂に会した。オンラインで200名強、オフラインで50名強の申込があった、とんでもないセミナーになったのだが、これまでの団体活動ではあまり見られなかった「20代、30代前半の若手社会人」の参加が多かったのが印象的だった。
団体のこれまでのセミナーだと、私(43歳)はかなり年齢的に下の方になるのだが、今回は見た感じかなり上の方に属していたわけだ。もちろん新鮮ではあったのだが、少しいづらさも感じつつ、けれどもこれからはこういった「自分が年長者」といったケースも出てくるだろうなと思った。長く仕事をするということは、そういうことなのだ。
*ちょっとした講演の違和感
で、今回のセミナーの登壇者の皆さんも、20代~30代前半の若手社会人が中心だった。エンタメ業界そしてデータマネジメントという括りとなると、どうしても現役バリバリのメンバーは若手が中心になるのだ。20代~30代前半の彼らは、社会人として仕事をはじめた時点でデータ分析の概念が企業に備わっていた年代で、入社当時からデータサイエンスの仕事を担当していた人ですらいるわけだ。ある意味の、というかまさにデジタルネイティブ世代になる。
そして登壇者の皆さんの講演で、ひとつ気になったポイントがあった。最初のAbemaさんの講演の最後のスライドが「一緒に働く仲間募集」だったのだ。オフラインだけではなく、オンライン配信用にQRコードが投影され、「そんな僕らと一緒に働く仲間を募集していまーす」というのが最後のセリフだった。少し違和感があった。そして次のGENDAさんの講演の最後のスライドも「私たちと一緒に働いてみませんか?」だったのだ。Abemaさんに続き、GENDAさんが「採用」のスライドで締めたことはちょっとした驚きだった。
これまでのセミナーだと、講演の締めとして参加者(視聴者)に伝えるものとしては「サービスの導入・利用」を促すセリフがメインだったはずだ。「このサービスのモニターをお願いできませんか」「期間限定で割安のサービスを提供します」などだ。これはセミナーのテーマや主旨にもよるのだろうが、講師が何のために今回のセミナーに登壇したのか、その目的は「採用」だということなのだ。
*採用目的の登壇が多いらしい
この気づきを懇親会で団体の事務局メンバーに聞くと、最近のセミナーは「採用」目的で登壇するケースが多いようだ。今回のセミナーでいうと、オンライン・オフライン合計で300名近くの参加があったわけだから、かなりの宣伝効果がある。もちろん、勤務時間外(18:00スタートだった)に情報収集をしている参加者ばかりだから、ビジネスへの意識も高い人達だということが予想できる。SNSが人材の流動性を上げているのは確かなのだが、これはHR系のビジネスが儲かるわけだわ。
ちなみに引き続きGoogle社内でおこなわれた懇親会も20代~30代前半の若手社会人が中心。若手社会人のみなさんがどのような話をしているのか、どのような振る舞いをしているのか、どのような服装をしているのかなど、話したり観察したりしていたのだけど、これはやっぱりオフラインでしか体感できないものがありますね。もっと外に出よう。
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