ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

マーケティングされたアウトプットを活用しよう!【no.2168】

 ECのマーケティングを展開する上で、より効果がありよりコストがかからない方向を目指すことが大切です。売上と利益をより大きくするために、広告のCPAもCPCもCPRもより低く低くを目指していくことになります。

 日々EC運営の取り組みを進める中で、ノウハウの蓄積でカバーできる部分もあれば、新しい試みで既存のナレッジが活用できないシーンもあります。各々のケースをいかに切り抜け、リスクを最小に押さえ、リターンの最大化を目指すか。ここがマーケターの腕の見せ所であるわけですが、とくに後者の「既存のナレッジが活用できないシーン」の場合、何を手掛かりにしてマーケティングを組んでいくのがよいでしょうか。

 今回のECMJコラムは「マーケティングの手がかり」について。

*お弁当屋さんのマーケティング

 以前のECMJコラムでも紹介したことがあるかもしれません。真っ先に思いつくのが、とあるお弁当屋さんの話です。そのお弁当屋さん、いまでは有名なチェーン店として上場している会社なのですが、立ち上げ当初はいわゆる普通のお弁当屋さんのひとつでした。もちろんマーケティング予算は微小。実店舗のマーケティングのポイントはなんといっても「立地」ですが、エリアを分析できるほどのマーケティング予算はありません。

 では、どうしたのか。日本でもっとも有名な某コンビニエンスストアの隣に店舗を構えていったんですね。なぜなら、某コンビニエンスストアが出店をおこなう際、エリアを分析せずに出店することはないから。つまり、大手企業のマーケティングをそのまま自社に活用してしまったのです。

 コンビニにはお弁当も置いていますが、お弁当専門のお店ではありません。「コンビニの隣に専門店があれば、お客様はお弁当だけは専門店を見てみる」この作戦です。もちろん、お弁当屋さんの戦略はこれだけではないでしょうが、「すでにしっかりマーケティングをしている会社のアウトプットを活用する」は賢い戦略です。最初は「虎の威を借る狐」でもいいのです。

*上位互換の「線」を徹底して見る

 こう考えると、ECのマーケティングでも、「すでにしっかりマーケティングをしている会社のアウトプットを活用する」に様々取り組めそうです。ネットショップの場合、たくさんのショップをパソコンで同時に見ることができますから、情報の変化にもすぐに対応することができます。自社の延長線上にある、いわゆる「上位互換」のネットショップを設定し、そのネットショップのお客様になりきって、定期的に「ECサイトの更新」と「情報発信(メルマガ・SNS)の内容」をチェックするのが良いと思います。

 これはまず1つのネットショップの動きを「徹底的に」追うことが大切です。マーケティングというと、どうしても複数のネットショップを追ってしまいたくなるのですが、複数だと「点」の施策だけを追う状態になりがちです。大切なのは「線」を追うことなのです。まずは1つのネットショップの「線」の動きに徹底するところから始めてもらえればと思います。

*「変えないもの」を探せ!

 私の場合ですが、EC運営時代は競合ショップの広告内容を毎週チェックしていました。最初は1つのネットショップからはじめて、最終的には4ショップくらいでしょうか。どの広告枠に出稿しているか、どんなバナー画像を使っているか、飛び先のページとメインで案内している商品はどれか。このあたりを注目して「毎週、定期的に」見ます。

 当然、変化するときもあれば変化がないときもあるわけですが、その「変化」はなぜするのか。「変化する」ということは、「広告効率が悪いとき」だと考えられます。逆に「変化」しない」ときは、「広告効率が良いとき」です。つまり、広告から「取れている」ときです。基本的に広告から「取れている」ときは、広告内容を変えないのがマーケター心理です。競合ショップが「変えないもの」を探す。これはECのマーケティング全般で使えるノウハウです。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 2.Eコマースを続ける, 5.Eコマースの分析

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから