ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「新規参入の可能性」を頭に入れてEC事業を展開する【no.1957】

 「新規参入の可能性」を頭に入れてEC事業を展開すること。

「地味なカテゴリ」を探した方が良いかも

 EC事業を新しい事業の柱として拡大していく。そのために知っておきたいポイントは「新規参入の可能性」です。つまり、競合のショップがこれから出てくる可能性があるのか否かです。当然、競合のショップが出てくる可能性がない商材の方がより有利になります。

 逆に今後の新規参入の可能性が高い方が大変です。常に自分たちをアップデートし、競合を研究しながら運営していかなければいけません。レディース・メンズのファッションジャンルは特に危険なカテゴリだといえます。

 まずもともとファッションECに参入している事業者が多く存在します。そして「ファッションをやりたい!」という新しい事業者が絶えず出てきます。ファッションのような「華やかさ」のあるカテゴリほど、新規の参入が活発になりがちなのです。さらにファッションはセンスや感性が問われ、見込のお客様への認知・集客・リーチの方法も時代とともに変わるのです。

 EC事業者は「いまが一番」若く、1秒1秒年齢を重ねていきます。ファッションのようなカテゴリへの参入は若さや感性との戦いとも言えます。時間が経てば経つほど、勝負が厳しくなっていくともいえるのです。むしろ「地味なカテゴリ」を探した方が良いかもしれません。

EC事業として有利なカテゴリとは

 EC事業として有利なのは「いまさら新規参入したいと思われないカテゴリ」「すでに一定規模のマーケット(市場)」があるカテゴリです。

 まず「いまさら新規参入したいと思われないカテゴリ」ですが、表現に少し語弊があるかもしれません。ファッションのようなカテゴリとは逆のカテゴリのイメージを考えてみてください。ビジネスとして地味ではありますが、人々に根づいているようなカテゴリです。また、新規参入をするために一定規模の投資をしなくてはいけない。また既得権益があるカテゴリだったりもします。

 とすると、この「いまさら新規参入したいと思われないカテゴリ」で圧倒的に有利になるのは、母体となる既存のビジネスをリアルの世界で長年展開しており、その上でECに新しい販売チャネルを求める企業。ECで新しいBtoCのマーケティングを展開していくというような企業です。やはり、既存ビジネスを長年展開している会社さんの方がECでも圧倒的に有利なのです。

新規参入の可能性が低いとECは楽

 新規参入のECは既存ビジネスを展開する会社さんのような投資をおこなえません。ですから、ラベルを変えただけのOEM商品を発売したり、ITの力を駆使しての仕組化・効率化(高利益率化)に積極的に着手したりしてビジネスをつくっていきます。しかしそれは、時代とともにコモディティ化することは自明です。やはり最終的にものを言うのは、自社で商品に改善を加えていける力です。

 先ほども触れたとおり、われわれは「今が一番若い」状態です。1秒1秒年齢を重ねていきます。短くビジネスを変えていくならば話は別です。ただ長くビジネスを展開していくためには「新規参入の可能性」というものも頭に入れておくのがよいのではないでしょうか。「新規参入の可能性」が低いと、ECは本当に楽です。(落ち着いて改善できる、の意味)

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから