ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!EC成長の法則。38【no.1926】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1925)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!EC成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「市場ニーズと市場規模の判断方法」についてご紹介しました。今回は「定例のマーケティング会議をつくる」についてお話します。

定例会議を行動変化の機会にする

 EC事業を成長させるためには、時間とお金というリソースを投下しなくてはいけません。「お金を投下する」判断はできるかぎりデータを活用して、ある程度の「勝ち筋」が見えてからというEC運営を推奨しています。その分「勝ち筋」を見極めるための「時間の投下」をおこなうことになります。時間とお金、どちらを選ぶかということですね。両方選択せずの成長はありえません。

 リソースの投下を最適化、最大化するために必要なのが定例のマーケティング会議です。EC事業の成長のため、目標と現在地の距離を確認し、施策の振り返りと次の改善施策を検討する定期的な時間が必要です。ここでのポイントは「定期的」という部分です。実は会議の内容よりも「定期的」という部分が重要です。「できるとき」「時間があるとき」に会議をするようではいけません。定例会議をマイルストーンにして、行動変化の機会にしていきたいのです。

まずは定例会議の時間を決める

 そういった点で大切になるのは「定例のマーケティング会議の時間を決める」こと。まずは定例会議の時間を決めてしまいましょう。おすすめなのは火曜日の午前もしくは午後の1時間です。1週間のはじまりといえば月曜日ですが、EC事業の場合、週末の受注処理・発送処理・お客様対応を月曜日に対応しなくてはいけないので、月曜日の業務量が多くなります。また、月曜日は祝日や振り替え休日になる機会もあります。そのたびに定例会議をリスケしていると会議自体の習慣化が難しくなります。「今週はできなそうだから来週でいいか」。この時点で「定期的」の原則が崩れてしまうのです。

 定例のマーケティング会議で確認する内容はシンプルです。

 まずは目標数値と現在地を確認すること。設定している年商と月商そして現時点での目標数値に対する進捗率を確認します。仕事の成果の評価というのはこの「目標数値」を基準にして判断することになります。目標数値を超えているならば極端にいえば現状の良い状況を継続していけばいいです。目標数値を超えていないならば「ではどうするか?」を考えれば良いだけです。目標数値を超えているのにも関わらず、お尻を叩き続ける経営者や責任者がいます。そうであればまず目標数値を上げた方が良いです。

決まったことを「決定事項」として書き残す

 そして全体のスケジュールの管理。中長期的にテーマになっている課題の進捗の確認、前回の定例会議で挙がった決議事項(宿題)の進捗の確認です。課題の解決が必要であるにも関わらず、進捗が滞っている場合です。そのボトルネックになっているのは何なのか、他の方法で解決はできるのか。こちらを議論して宿題を再設定、スケジュールを書き換えます。ここで大切なのは、決まったことを「決定事項」として書き残すことです。決まったのか決まってないのか、誰がいつまでにやるのか。アイデアが浮かんだだけで終わってしまう会議が多いですが、それはもったいない時間です。

 さらにデータを見ること。日々の改善施策とその成果であるデータを確認し、原因と結果の因果関係を整理します。「内的要因と外的要因」の整理はここでおこないます。データに対しての「原因」の情報を収集し整理することで改善施策が見えるはずです。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから