コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。13【no.1901】
(こちらは2021年公開のコラムです)
前回コラム(no.1900)のつづきです。
「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「市場を見ること」についてご紹介しました。今回は「売上ゼロのフェイズのバックオフィス」についてお話します。
このテーマのコラムではじめて「バックオフィス」という言葉を出しました。Eコマース事業でいうバックオフィスとは主に「お客様から注文をいただいた後の仕事」を指します。具体的には、受注処理・データ管理・発送処理(物流)・カスタマーサポートなどの仕事です。「売上ゼロのスタートフェイズ」において、商品数を増やすこととデータを活用することをマーケティング業務(=フロントヤードともいう)として紹介しましたが、当然お客様から注文をいただいた後のバックオフィスの仕事もあるわけです。
まず大前提からいえば、売上ゼロのスタートフェイズはとにもかくにもフロントヤードの仕事に多くの業務時間を割くべき、つまりアクセスを増やし注文をもらうことに全力を使うようにすべきであり、バックオフィスの仕事については「きたものを捌く」ことを中心に進めていって良いと思います。売上ゼロのフェイズなのですから、受注も物流もそう多くはないはずです。特に受注システムの導入も検討しなく良いと思います。データの管理もEコマースサイトのシステム上であったり、エクセルにデータを貼りつける程度であったりしても構いません。
ただ、このフェイズでは多くの会社さんがEコマースの担当者をひとりで回すことになると考えられます。もしかしたら既存事業の仕事をもっている兼任でのEコマース担当かもしれません。できる限りアクセスと売上をとる仕事に時間を使えるように、バックオフィスの仕事を社内の他のメンバーでもカバーすると良いでしょう。受注処理・物流・カスタマーサポートの仕事であれば、アルバイトさんやパートさんにお願いすることも可能だと思います。とにかく、「売上をあげるべき仕事」をするはずのEコマース担当者が、バックオフィスの仕事で手一杯になってしまってはいけないということです。
売上ゼロのフェイズのバックオフィスの仕事はアナログに近い、「きたものを捌く」ベースで構いませんが、ひとつだけ仕組みをつくっておいた方がいい仕事があります。それは「商品マスター」の整備です。商品マスターをご存じの方は多いと思いますが、一応説明をするとEコマースで取り扱う商品の商品台帳のようなものです。商品マスターの作成はエクセルで構いません。ECMJコラムでも過去に何度かEコマースの商品マスターについて書いているので、ぜひ検索をして読んでみてください。
売上ゼロの初期フェイズでも商品マスターをきちんと整備しておいた方がいい理由は、ネットショップが成長して商品数が増えたり、在庫が増えたり、取引先が増えたりすると商品マスターを整備するのが途端に面倒になってしまうからです。商品マスターのルール決めを最初のうちにおこなっておかないと、場合によっては全商品の品番の振り直し、全商品ページの登録内容の変更といった仕事を将来的にやらなければいけなくなります。初期のスタートフェイズである程度商品マスターのベースについては固めておきたいところです。
バックオフィスの仕事全体に言えることですが、将来的な増員による引き継ぎや受注・物流・カスタマーサポートの外注化も加味して仕事のルールをつくっていきたいですね。ある程度Eコマースが成長してくると必ず「業務の外出し」を検討しなければいけないフェイズに入っていきます。
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