マーケティング指標を設定するための注意点【no.1851】
自社でマーケティングを展開していくとき、日々の業務の成果の指標をどこにおくかがポイントです。
デジタルを活用したマーケティングは、デジタルのツールやシステムを活用するというよりも、前提としてデジタル上で収集、集計される「データ」をいかに活用するかがポイントだからです。仮にツールやシステムを一切導入していなかったとしても、「データ」を活用しているならば、それは「デジタルのマーケティングができている」とある意味いうことができます。
今回は自社で指標を設定する際のポイント、注意することややってはいけないことについて紹介します。
まず指標を設定するためには自社のマーケティング活動をいったん整理する必要があります。自社のサービスを利用してくれるお客様はどこからやってきて、どのような経路をたどって注文(発注)してくれるのか。これをチームメンバーで整理していってください。
現状おこなっているマーケティング活動のステップを指標として設定する方法もありますし、現状はこのような感じでマーケティングをしているんだけども「今後はこうやって注文につなげていきたいよね」という将来のイメージがあるならば、そちらをこれからの改善活動の指標にするのが良いと思います。
現状のマーケティング、理想のマーケティング、どちらの指標を日々ウォッチするのも構いませんが、大切なのはあまり日々確認する指標を多くしないことです。
ECMJコラムでは「実行数値管理表」を紹介していますが、Eコマースにおける日々確認したい指標は「売上」「アクセス人数」「受注件数」「転換率(コンバージョン率=CV)」「客単価」、この5つだけで十分です。BtoBのようなWEBサイトから問い合わせをもらうパターンにおいては、「セッション数」「問い合わせ数」のふたつの指標からはじめても良いかもしれません。
とにかく、あまり確認する指標を多くしないこと、指標はなるべく上流の数字に設定すること、つまり「より最終的な結果(=多くの場合は売上)につながる」ところを指標として設定するのが良いです。
やってしまいがちなのが、指標の項目数を増やしすぎることです。この指標も大切、この指標も常にみておきたいと思い、10コ15コの指標を設定してしまいます。これだけの指標を用意してしまうと、日々数字を確認し、日々の業務との因果関係を整理し、次の施策を検討していくのは簡単ではありません。というか、まず無理です。
また10コ15コの指標を設定するとなると、必ず「最終的な結果」から遠いものが含まれており、重要性が高い指標と重要性が低い指標を同じレベルでウォッチしていくのは大変危険です。マーケティング活動の選択と判断を誤ってしまうことにもなりかねません。
大切なのはより上流の同じ指標を「漏れなく毎日」ウォッチし続け、自分たちの行動との因果関係と再現性が可能なポイント、そしてお客様の小さなニーズの変化を読み取ることです。やってはいけないのが、多くの指標を設定するかわりに「時間があるとき」「気になったとき」「余裕があるとき」しか指標をウォッチしないという行為です。
数字に慣れていない組織であれば、日々の「売上」だけでも構いません。毎日必ず出社したら前日の「売上」を確認する。昨日は売上が高かったんだね、低い日が続いているね、なんで木曜日だけ高いんだろう、日々ウォッチをしているといろんな疑問がわくと思います。この疑問こそが次のマーケティングへの源泉です。「なぜ?なぜ?なぜ?」を指標を材料に考え続けるのです。
最初はたった1つの指標でも、慣れたら2つ3つと増やしていきます。そうすればより多方面から疑問を整理することができるようになるのです。
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