ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

本当に新型コロナの影響だけで市場環境は変化するのか【no.1813】

 新型コロナウィルスの影響が様々なところで出ています。たぶん、私と同じように皆さんも気にされていると思うので個々の事象は出しませんが、イベントが中止になったりテレワーク化・リモートワーク化に切り替える会社さんも出ています。

 9年前の東日本大震災のときも震災前、震災後で我々日本人の価値観が変わりましたが、今回の新型コロナウィルスの件もコロナ前、コロナ後で人生観、仕事観、価値観に影響が出るような気がします。人生観、仕事観、価値観が変われば、当然市場環境が変化することになるわけです。

*おおむね影響が少ないインターネットの世界

 あくまで市場環境という視点からのコラムですので、「不謹慎だ!」などの感情は少し横に置いてもらえればと思うのですが、新型コロナウィルスの関係で大きく影響が出ているのは主に「リアル」の世界であり、インターネットの世界にはそれほど影響が出ていないかな、というのが現状のイメージです。もちろん、今後「リアル」の影響が倒産、商品供給ストップになどにより大きく影響を及ぼす可能性はあります。

 先日、とある会合でおこなったパネルディスカッションでは、私以外のパネリストお二人は「リアル」の場でのご商売をされており、やはり影響は大きいとおっしゃっていました。私の方は「インターネットの情報源」として呼んでいただいた背景もありましたので、「インターネットはそれほど影響がありません。むしろ市場としては盛況なところもあります」とお話ししました。あくまでECMJの顧問先様の感想です。

 今後、新型コロナウィルスの問題がどこまで続くのかわかりませんが、仮に早期に落ち着いたとしても、コロナ前とまったく同じ市場環境には戻らないと思います。東日本大震災のときもそうでした。

*本当に新型コロナウィルスの影響だけで市場は変わっているのか

 冷静な目で見て、考えたいのが「本当に新型コロナウィルスの影響『だけ』で市場が変わっているのか」ということです。各社のイベントの中止もテレワーク化・リモートワーク化も、取引先への訪問を控える動きも、「本当に新型コロナウィルスの影響なのか」ということです。

 批判をする人は物事の良し悪しを正しく判断して批判をしている、だけではありません。「批判をしたい」という気持ちがあり、批判をする材料を探している、と言えないでしょうか。怒りっぽい人は物事の善悪で怒っているのではなく、「怒りたい」という気持ちがあり、怒るための材料を探している、と言えないでしょうか。

 本当に新型コロナウィルスの影響で中止になったイベントだったり、テレワーク化・リモートワーク化になったりという面もあるでしょうが、一連の中には「前から変えたかった(やめたかった)けれど、都合のいいタイミングがなかった」こともあるような気がします。つまり、なんとなく充満していた「常識」とか「世間体」のようなものが新型コロナウィルスの問題を契機として壊れていく気がするのです。ここを見ることが大切ではないでしょうか。

*インターネットの力はさらに強まる

 少なくとも追い風になりそうなのがインターネットの力です。わざわざ人に会わなくて良い、人が集まる展示会やイベントに行かなくても良い、電車など移動手段でのリスクを回避することができるインターネットの活用はより進んでいくことでしょう。インターネットの活用は、そのままデジタルマーケティングの推進ということができると思います。

 その中でも今回の新型コロナウィルスの影響で大きく変化が出そうなのは「BtoBのマーケティング」と見ます。営業のデジタルトランスフォーメーションは一気に加速するはずです。なにより、お客様側がむやみに人に会ったり、外出したりすることをためらう世の中になるでしょう。少し意外なカタチでDX化が迫られそうです。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから