我々は事業者の皆さんと乖離しすぎてはいないだろうか【no.1807】
我々、普段からインターネットマーケティングに取り組んでいる会社さん、デジタルマーケティングに取り組んでいる会社さんとのお付き合いが多い。そして、普段協業していたり、一緒に勉強会をしているメンバーはインターネットマーケティングやデジタルマーケティングのソリューション会社さんというケースが多い。
ビジネス雑誌をみればデジタルトランスフォーメーション(DX)、5Gという言葉、インターネットの情報メディアでもAIやスタートアップなんて言葉が並びまくっているように感じるのだが、本当にはたして「一般的な課題」なのだろうか。
我々のようなデジタルの村に住んでいる人間たちがその村のなかでワーワー叫んでいるだけなのではないか、今日はそんな話。
*全国展開している団体の役員会に出席した話
先日、ECMJが入会しているとある団体の「全国役員会」に出席した。この団体は全国各地に支部があり、私自身は東京支部の「次期(2020/4~)支部長」として現支部長とふたりで東京から京都の全国役員会にはせ参じたわけだ。
役員会に参加したメンバーは全国各支部から集まった30名ほどで、議事内容に入る前にひとり1分の自己紹介をすることになった。そこで私はこんな自己紹介をした。
「東京支部からやってきました石田と申します。仕事はインターネットマーケティング、デジタルマーケティングの運用体制構築支援のコンサルティングをやっています。我々若手の経営者で会員企業のデジタル化、デジタルトランスフォーメーションを推進できるように皆さんと意見交換していきたいと思っています」
こんな感じだ。この後、ひとり1分の自己紹介がそのまま進捗していき、議事内容の議論を終え、初日の3時間の役員会が終わった。
*現東京支部長から予想外のひとこと
役員会の会場から数名のメンバーとホテルに向かっていたとき、現東京支部長が私に予想外のひとことを言ったのだ。「まこちゃんが言ってたデジタルなんたらかんたらって全然わかんなかったよー。俺もいろいろ勉強させてもらわないとやばいなー」
現東京支部長は40年以上続く企業の二代目で私よりも3つ上くらいの方である。まさか、現東京支部長にも「デジタルトランスフォーメーション」という言葉が馴染みでなかったとは。「もしかしたらこれはやってしまったかもしれない」瞬時にそう思った。
現東京支部長の会社はWEBサイトを持っているし、お客様からの注文をできる限りオンラインで完了できるように計画を進めている。その活動自体が「デジタル化」であり「デジタルトランスフォーメーション」であるのだが、その行動が「デジタルトランスフォーメーション」という言葉と繋がってないのだ。極端にいえば、FAX注文をメール注文に変更すれば、それも「デジタルトランスフォーメーション」なのである。
*「越境EC」という言葉
翌日の二日目の全国役員会で、役員メンバーのひとりから「石田くんに越境ECについて話して欲しい」という要望があった。越境ECの現状とリアル、そして成功のポイントについての話を求めてくれていたのだが、まずは「越境ECという言葉を知っているか。説明できるか」そこを参加者の皆さんに確認する必要があると思い、二日目のメンバー20名に聞くと「知ってます」と手を挙げてくれたのは2名。
多いのだろうか、少ないのだろうか。「デジタルトランスフォーメーション」という言葉、「越境EC」という言葉を知っているか知っていないか、いいか悪いかという話ではない。東京も含めた事業者の皆さんの現在地について、我々の感覚は間違っていないか、ということなのだ。多くの事業者の皆さんにとって、一番馴染みのある言葉は「ホームページ」なのかもしれない。
コーポレートサイトやEコマースサイトでもない。WEBサイトという言葉でもなく。
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