企業はどのような「資質」をもつ人を採用すればいいのか【no.1794】
どんな資質をもつ人を採用すればいいのか。現在の日本という市場で最大の命題かもしれません。
ECMJという会社のコンサルティング事業、ECMJコラムで発信している内容は基本的に「いかにして今のメンバーで数字を伸ばしていくか」そのための組織論や人材育成論であって、その前提として当然「どんな資質をもつ人を採用すればいいのか」という問題が関わってくるわけです。
今回のECMJコラムは「どんな資質をもつ人を採用すればいいのか」という話。
*本当の「かしこさ」とは何か、それは「適応力」である
仕事をする上でどんな資質をもつ人を採用すればいいのか。様々な意見があると思うのだけれども、ひとつだけ挙げるとするならば「適応力」ではないかと思う。「適応力」を具体的にいうと、「真似をする能力」であったり「場に順応する能力」だったりを指す。何となくニュアンスは伝わるだろうか。
・・と思ったのは私自身が深く考えて至ったわけではなく、Twitterでみたあるツイートがきっかけになっている。頑張って探したのだが、もう10日以上前のツイートで、しかも誰がつぶやいたかすら覚えていないので見つけられませんでした。すいません。たしか、こんなツイートだったと思う―――
―――本当の「かしこさ」とは偏差値が高いことでもなく、いろんな知識やノウハウを知っていることでもない。本当の「かしこさ」とは「適応力」を指す。あなたの周りや属しているグループの中にも、「後から入ってきたはずなのに、いつの間にか何年も前からいるような感じになっている人」がいるだろう。これが本当に「かしこい」人なのだ。
*中小企業の社長と対等に渡り合う、新卒2年目の女性
先日、とある中小企業の社長のオフィスに呼ばれた。事業の成長とともに徐々にスタッフが多くなり、これまでの「主観的」な採用戦略を「体系的」な採用戦略に変えたいという悩みだった。この課題に対して社長はすでにHRベンチャー企業のセミナーに参加しており、今回担当者と個別相談をするということだったのだ。私は経営メンバーの素振りをしてアポイントに参加した。
いままでいかに自分の判断だけで採用をおこなってきたか、これからの採用をどうしていきたいか、社長が具体的な悩みを話しながら、それに対して担当者の女性が回答をするという形式で話が進む。1時間の無料相談の終盤に差しかかったとき、社長がふと聞いた。「すごくお若く見えるのですが、失礼ですが、何年目ですか?」「新卒2年目です」。社会人15年、20年という我々はこれに驚き、この社長はこの会社との契約に一気に気持ちが傾いていった。
1時間の個別相談が終了し、担当者の女性が帰った後の話題は、どういう風な教育をすれば新卒2年目でここまで成長するのかということだった。そしてどのような教育、の前に「どのような資質」を持つ人がこの女性のように成長するのか、という話になった。
*「適応力」の如何で何十倍も違うもの
急成長中のHRベンチャー企業である。新卒社員の教育体制がしっかりしているのだろうし、マニュアルやスクリプトも十分整理されているのだとも思う。ただ、社長が投げる質問は予測できないものであり、さらに「この会社の状況」を加味して回答をするとなると、マニュアルやスクリプトではカバーしきれないはずだ。この女性には高い「適応力」があるのではないか、と直感した。
「適応力」とは「真似する能力」でもある。会社から受ける教育/研修やマニュアル/スクリプトの準備だけではなく、「普段から『デキる』先輩の真似をする」ことができているならば新卒2年目といえども成長は何倍も早くなるはずだ。
「真似る」という「適応力」がある人とない人で成長のスピードはまったく異なる。「真似る」人は仕事の環境の四六時中成長する。「真似ない」人は教育を「受けている間」だけ成長する。
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