公営競技最高の面白さ!オートレースマーケティング。3【no.1609】
(オートレースマーケティングつづき)
前回のコラムではオートレースには「新規顧客リーチ」というマーケティング上もっとも大切で難しいポイントに元SMAPの「森且行選手」がいる、という話をしました。競艇選手、競輪選手、競馬の騎手(地方競馬)の名前は知らなくても、オートレースの「森且行選手」を知っているという人は多いのではないかと思います。
たったひとりですが、されどひとり。ちょっとのことがマーケティング上、「新規顧客リーチ」という点ですごく有利ではあるんですね。
*収益モデルは「コンテンツ課金」「広告」「物販」の3つ
以前のECMJコラムで「広島カープ」のマーケティングについて書いたものがありました。また「競艇(ボートレース)」のマーケティングについて書いたECMJコラムもありました。両方ともマーケティングを展開していく際に「収益モデル」について最初に書いたのですが、オートレース事業についても基本的な「収益モデル」は「コンテンツ課金」「広告」「物販」の3つになります。現状どのような状況になっているか、ひとつひとつ調べてみます。
*オートレースの「コンテンツ課金」にあてはまるもの
オートレースの「コンテンツ課金」は競艇(ボートレース)の「コンテンツ課金」と内容は一緒です。オートレースという競技をみたり、オートレースという競技に参加したりするときにかかる金額。広島カープ(野球)のマーケティングならば「チケット料金」ですよね。「コンテンツ課金」による売上はオートレースや競艇や野球という競技自体の「人気」や「市場」に関わってくる部分です。
オートレースの「コンテンツ課金」はふたつ。ひとつは競艇場・野球場と同じく「入場料」です。競艇であれば競艇場に入ることにお金がかかります。ちなみに一部を除いて競艇場の入場料は「100円」です。入り口で100円を払って(100円用の自動改札みたいなのがある)競艇場に入ります。そして気になるオートレース場の入場料は、なんと「無料」。「入場無料」なのでオートレースは「入場料」という項目の「コンテンツ課金」の売上はゼロなのだ。(平成25年4月から全場で入場無料となった。理由は不明)
もうひとつの「コンテンツ課金」は「投票券」による売上ということになる。競馬や競艇、競輪をやったことがある方はご存知かと思うんですが、我々は「お金をかける」のではなく、勝つと思っている組み合わせに「投票する」んですね。そしてその「投票」をするのが車券場にある「投票窓口」。我々は決して「お金をかけている」のではなく、「投票券を買っている」だけなんですね・・という理屈。オートレースも基本的な売上の軸は「投票券」の売上ということになります。
「コンテンツ課金」は「入場料+投票券売上」ですね。
*オートレースの「広告」に当てはまるもの
正直、ここがいまいちわからない。現在の状況から拡大できるのか否かがわからない。オートレースだけでなく競馬・競艇・競輪だと開催している大会にスポンサー(冠)がつきます。「スポーツ新聞社杯」とか「共同通信杯」とか「オッズパーク杯」とか。ここが収益モデルの「広告」になるのはわかるんだけども、冠スポンサーになっている1社以外の複数のスポンサー枠をみたことがない。
プロ野球だと、野球場に貼られるたくさんの広告枠もそうだし、テレビ放送・ラジオ放送からの収益も「広告」に入るので複数の広告枠が考えられるのだけど、もしかしたら公営競技なので過剰にスポンサー枠を広げていくことが「好ましくない」というルールなのかもしれない。「広告」についてはマーケティング戦略によってこれ以上「収益モデル」として拡大していくことができるのかわからない。誰か教えて。
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