ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

数字が伸び悩んでいるときこそ冷静に要因を分析する。【no.1539】

 期待していたよりも数字が伸びていないとき、もしくは数字が若干落ちて伸び悩んでいるときは冷静に分析をすることが大切です。

*数字が落ちていると焦るんだけれども

 日々改善をおこなっているのに数字が伸び悩んでいると焦ります。イライラします。ネットショップを運営しているスタッフの皆さんに「なんで数字が伸びてないんだ!」とか「仕事やってる意味あんのか!」とか怒鳴ってはいけません。冷静に分析をすることが大切です。

 数字が動くのには理由があります。どこかには必ず理由があるのですが、自分たちで知ることのできる情報だけではわからないことも多々あります。「わからないこともある」ということを前提において、数字が動いた理由(逆に動かない理由)を考えていきます。理由とは原因のこと。ECMJコラムでも書いている「内的要因」と「外的要因」を分析していきます。

*ネットショップにマイナスになっている「内的要因」を探す

 前年同月の数字と比較して売上がほとんど上がっていない、もしくは下がっているという場合があります。ネットショップの売上は必ず季節性・トレンド性がありますから、比較をするのは前月の数字ではなく、前年同月の数字です。

 数字が動かない「内的要因」としてありえるのが凡ミスです。これは最初に疑いたいところです。スタートした販促企画のバナーにリンクミスがあったり、売れ筋商品の在庫数がゼロになっていたり、キャンペーン期間が過ぎていて商品ページが購入不可になっていたり。これらは日々ネットショップのページを触っていないと見つけることができません。

 もうひとつの「内的要因」です。自分たちが良かれと思っておこなったネットショップの改善が「改悪」になってしまっていないかを検証します。商品ページでの表記だったり、配送条件や決済条件の変更だったり、ヘッダーやサイドナビやフッターのレイアウトだったり。改善したものを元に戻すことによって流れも元に戻る可能性があります。

*自社の数字が外に出ていっている「外的要因」を探す

 自社がネットショップの改善をおこなっていても他社が強いキャンペーンは販促企画をおこなっていたら、比較され数字が取られてしまっている可能性があります。購入の際、自社のネットショップと比較されているだろう競合ネットショップがどんな改善をおこなっているかをチェックしましょう。変化を知るためにも、ある一時点でウォッチするのではなく定期的にウォッチするのが望ましいですね。

 前年同月と当月の1年間で市場環境が変わってしまっているという可能性もあります。自社の取り扱っている商材のニーズが前年同月100だったのが1年経って70になっていると改善を重ねていても数字は伸びないわけです。またニーズが前年同月と同じ100のままでも競合の数が倍になったとしたら同様に数字は伸びません。

 また自分たちで「自社のネットショップを日々改善している」という認識をもっていたとしても競合のネットショップの改善のサイクルの方が早く、市場で取り残されてしまっている可能性もあります。強豪の施策と市場環境の変化という「外的要因」を検討してあまり該当しなかった場合、この3つ目の「自分たちの改善スピードが甘い」という結論に行き着きます。

 ―――改善を重ねているのに結果が出ないと気分は良くないし、イライラするものです。ただ理由は必ずどこかにあります。「内的要因」と「外的要因」を冷静に考え、対策が打てるものがあれば打ってみましょう。もしかしたら自社のサービスを見直すきっかけになるかもしれません。そしてやはり大切なのは「自分のペース」ではなく「市場のペース」で改善を重ねていくことです。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 6.Eコマースの悩み

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから