景気が悪くてもネットショップはチャンスがある。2つの理由【no.1437】
景気の悪さが露骨に感じられる状況になっています。
この数か月で一気に景気が落ち込んでいる雰囲気があります。実店舗では入れ替え(というか、抜け)がそこらじゅうで起こっています。あれ?このお店なくなっちゃったんだ、という状況です。8月が例年よりも寒く需要が外れてしまったり、北朝鮮の問題も景気を悪くしている原因かもしれません。ネットショップ全体としては、前年同月を若干上回る、もしくは前年同月をキープできれば御の字という市場環境ではないでしょうか。
さらに追い打ちをかけるように10月から配送料金の値上げがあります。Eコマース事業者には痛い話です。今回の値上げはやせ我慢だけでカバーできるレベルのものではなさそうですから、送料を変えるのか販売価格を変えるのか、実際の金額をいじらなくてはいけないネットショップが多いでしょう。特定のネットショップではなく、全体の値上げですから「ネットショップを続ける意味」を改めて考えるひとつのきっかけになりそうです。
当然、ECMJとしては顧問先のみなさんにEコマースの「絶対的勝ち組」を目指してもらいたいと思っています。仮にEコマースをやめたとしても、他のどこにビジネスチャンスがあるのだ!という事業者さんも多いでしょう。やるしかないのです。継続です。
景気の悪い、苦しい状態の中でもEコマースというビジネスを続けることは、決して悪いことばかりではありません。むしろ、市場が再編され、新しいスター店舗になるためのチャンスです。
ひとつには、ネットショップをやめてしまう会社が出てくるだろうということです。Eコマース専業でビジネスをおこなっている会社は状況が悪くてもネットショップをやめることはできませんが、Eコマースを新しい販路のひとつとして取り組んでいる会社はネットショップをやめてしまう可能性があります。母体となるビジネスである程度会社が回っているならば尚更です。
特に、今回の配送料金の値上げによって、値引き合戦・広告合戦で薄利多売のネットショップを回してきた会社は「もうそろそろ潮時かな」になる可能性があります。値引き合戦や広告合戦はどちらかといえば「頭を使えていない」戦略です。知恵を使って付加価値を出すことができる事業者、汗水を流して運営を回せる事業者が残っていくのかもしれません。退店するネットショップが増えれば、真面目に取り組んでいるネットショップにチャンスがあります。
もうひとつは、景気が悪いことにより新規参入が減るだろうという予測です。最近しばしばECMJコラムでも書いている「今さらこのジャンルに新規参入はないよな」というアレです。景気が良い時代は市場が伸びているわけですから少々ハードルの高い業界の新規参入もあります。ただ景気が悪くなると、わざわざアナログな既存業界に参入しようと考える事業者は減るはずです。「今さらこのジャンルに新規参入はないよな」です。
デジタル関連の新規参入はこれからも増えるでしょうが、時間をかけてモノをつくるアナログの新規参入は敬遠される時代です。ネットショップを運営している会社さんは自社で時間をかけて「アナログに商品をつくっている」ところも多いでしょう。たしかに市場は小さくなっているかもしれませんが、新規参入がない分、現状のEコマースのプレーヤーの中で突き抜ければネット上での売上を総取りすることができるのです。
30年、50年とアナログでの商売の土台をきちんと作ってきた会社さんは不景気の中でもネットで勝負をかけることができます。おそらく、このときにポイントになるのは、経営者の本気度です。「思いついたとき、時間があるとき、余裕があるとき」の片手間な取り組み方ではなく、本気で時間とお金を「ネットに投資する」覚悟があれば、チャンスがあります。
おわり。
カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 6.Eコマースの悩み