ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップの広告戦略について詳しく書いていきます。5【no.1403】

 ネットショップの広告戦略について詳しく書いていきたいと思います。

 前回はインターネット広告の「広告の方程式①~⑥」について紹介をしました。ここまでは基礎編です。ここからが応用編。ネットショップの広告戦略を本当のノウハウにするための大きなポイントになります。最終回です。

*広告の方程式⑦:「広告費<表示回数×(商品×テキスト×画像)×転換率×客単価×利益率」

 前回最後に紹介をした広告の方程式⑥をもう一歩深堀りしてみましょう。「クリック率」の部分を「商品×テキスト×画像」という3つの項目に因数分解してみました。通常、インターネット広告は紹介するサービスや商品、テキスト文章での広告文、ビジュアルとしての画像の3つによって広告が成り立っています。広告によってはテキストだけだったり、画像だけだったりするものもあります。広告のクリック率は、商品・テキスト・画像の掛け合わせでクリック率が決まっていくのです。

*広告の方程式⑧:「広告費<総ページビュー×表示率×(商品×テキスト×画像)×転換率×客単価×利益率」

 次に広告の表示回数部分を「総ページビュー×表示率」に分解をしました。インターネット広告は必ずしも特定の条件で毎回100%表示をされるわけではありません。他社が同時に広告を掲載している場合は表示回数が下がりますし、広告のランクが高かったり低かったりすると、それによって表示回数が変化していきます。広告が表示される総ページビュー数があり、そして自社の広告が表示される表示率があるのです。これによって広告の表示回数は増減します。

*広告の方程式⑨:「広告費<総ページビュー×表示率×(商品×テキスト×画像)×転換率×客単価×利益率+新規顧客数×平均リピート回数×客単価×利益率」

 新規顧客の獲得からの将来的な売上も見込んで広告の評価をするとこんな感じでしょうか。すべての項目をひとつにまとめた形です。長いですね。ただこの広告の方程式⑨には、先に紹介をしたCPAの概念もLTVの概念も両方が入っています。広告の方程式の解説は以上!です。

*広告の方程式の使い方。

 大切なのはなぜ成果を因数分解して考えるのかを知ることです。ECMJコラムの読者の皆さんには「広告かけたけど売れなかったー」とか「今回の広告はちょっといい感じー」とか感覚的にネットショップの広告戦略を語って欲しくありません。できる限り数字で広告の成果を語ってもらい、それをすることで「ここは良かった。ここは改善できる。じゃあ、次はどうしようか?」の施策を積み重ねていってもらいたいのです。

*因数分解することで改善のポイントがあることを知る。

 例えば、広告の方程式で紹介した「アクセス数」です。アクセス数をアクセス数のひと項目と捉えてしまえば改善のポイントはひとつだけです。でもアクセス数を因数分解して「総ページビュー×表示率×(商品×テキスト×画像)」と捉えることができればどうでしょうか。総ページビュー数が多い広告を試すという方法もありますし、表示率を高めるにはどうすればいいかという改善も浮かびます。商品は適当か、テキストはもっと良くできないか、画像のバリエーションの工夫はできるか、など次の仮説に繋がっていくのです。

 ここが広告の方程式で本当に伝えたいポイントです。最終的な成果である売上・利益を上げるための方法はひとつではありません。因数分解した項目のどの項目の数字が上がっても、最終的な成果は上がります。自社に合った「上げやすい項目」を探してみてください。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 8.Eコマースの集客

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから