ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ショッピングモールと自社サイトの「検索」集客。その5【no.1390】

 ショッピングモールと自社サイトの「検索」からの集客。ここからは自社サイトの考え方について紹介をしていきます。

*自社サイトECの90%は失敗している

 まず最初にお伝えしたいのは、ほとんどの事業者にとって自社サイトでのネットショップ運営はハードルが高いということです。楽天市場やYahoo!ショッピングに長年出店しているベテランネットショップのほとんどが未だに自社サイトに売上以降できていない点からも、自社サイトの難しさがわかると思います。

 なぜ90%のネットショップが自社サイトに失敗しているか。それはブランドがないからです。自社サイトが成功している10%のネットショップのほとんどにはブランドがあります。Googleアナリティクスのサーチコンソールのデータを閲覧すると「ネットショップ名」や「ブランド名」や「商品名」で直接検索をしてアクセスをしているユーザーが多いでしょう。

 ほとんどの自社サイトはそういうものなのです。

*ブランドがないと、なぜ自社サイトは難しいか

 検索の話をする前にもう少し自社サイトの存在、マーケティングについて理解をしていきましょう。

 なぜブランドのない自社サイトのネットショップは厳しいか。ひとつはお客様から「ネットショップ名」や「ブランド名」や「商品名」の直接検索がないため、アクセス数が極端に少なくなってしまうことにあります。またもうひとつは商品を購入する際に自社サイトに新しく顧客情報を入力しなければいけないこと。氏名や住所、決済方法などを入力することに抵抗があります。それならばすでに会員登録をしている楽天市場やAmazonで商品を探そう・・という思考にお客様が至るのも普通といえば普通です。

 直接検索によるアクセス流入と、個人情報の入力。ブランドがない自社サイトのネットショップの厳しさはここにあります。現在、AmazonIDを自社サイトで利用できるAmazonペイや楽天IDを自社サイトで利用できる楽天ペイなどのサービスもありますから、後者の部分はある程度カバーされつつあります。

*導線を用意していても、お客様が移動しない現状

 楽天市場やYahoo!ショッピングのベテラン店舗、上位ネットショップでも同じように自社サイトで売上を上げられている事業者はごくわずかです。当然、どのネットショップも楽天市場で買い物をしたお客様に自社サイトの存在を匂わせたり、自社サイトでの購入メリットを強くしていたりしますが、それでも自社サイトへの売上の完全移行というところまでは至りません。

 ネットショップを運営する事業者としては、売上に対する料率がかかるショッピングモールは早く脱したいという気持ちがあります。お客様としてはショッピングモールのポイントを貯めたい・利用したい、ショッピングモールを使う方が楽、Eコマースは楽天市場やAmazonに慣れているなど、シンプルな理由がいくつかありそうです。

*ショッピングモールを脱するには・・?

 ショッピングモールを脱し自社サイトでのEコマースに切り替えるとしたら、何をすればいいか。極端にいえば、ショッピングモールの出店をやめることです。ショッピングモールの出店(や更新)をやめ、自社サイト一本でネットショップを運営するのです。できれば自社サイトと共に実店舗を作ることができれば尚良しです。

 簡単な決断ではありませんが、逆にそれができる会社は自社サイトのEコマースの成長の芽があるということです。ショッピングモール時代より一時的に売上はかなり落ち込むかもしれません。しかしそれは、自社のネットショップには「ブランドがなかった」と諦めましょう。所詮、ショッピングモールに担がれた売上でしかなかったのです。自社サイトで新しいブランドをつくっていけばいいのです。

 つづきはこちら。

 

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 8.Eコマースの集客

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから