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Tクーポンを渡されたと思ったら、「エビバーガー」でガックリきた話【no.0428】

 正直、これははっきり書くべきことなのか、「ほほぅ」と思っておくべきことなのか、判断つきかねるのですが、なんとなく書いた方が「日本のためになる」と思うので書きますね。(そんな重大か?)

 先日、自宅の近くのスーパーに行ったんですね。Tポイントカード(CCCが発行しているカード。説明不要ですよね)の連携しているスーパーなのでレジでTカードを出すと、「Tクーポンが出ましたので、ぜひご利用ください」と言われて、レシートと一緒に発行されたクーポン券をもらったんですね。みなさんも、一度は経験があると思います。

 それで、そのクーポン券を見ると、「ロッテリアで使えるクーポン。エビバーガー+ドリンクMがクーポン価格450円」って書いてあったんですね。ごめんなさい、先に謝っときますが、そんなに食べたくないんですよね「エビバーガー」。「おめでとうございます。Tクーポン出ましたよ!」みたいな感じなんですが、めちゃくちゃ「ハズしてる」わけです。ちなみに、「エビバーガー」を否定しているわけではありません。

 一応、こういう仕事をしていますから、このTカードがどんな情報を吸い上げていて、どんな役割を果たしているかわかってるつもりです。その上で、「なんでここでエビバーガーのクーポンを出しちゃうのかな」と思うわけです。今まで何度もTクーポンを受け取っていますが、毎回こんな感じです。もちろん、一度も利用したことはありません。

 オムニチャネルとかビッグデータとかっていうのは「顧客主導」のマーケティングなのですよ。様々な場所からTカードのようなIDの利用情報を吸い上げて、お客様の趣味嗜好に合った提案をしていくのが「顧客主導」のマーケティングなんですね。そんな近代的なシステムと大規模なサーバとデータ分析の知識を合わせた「新型マーケティング」の成果が、「石田にエビバーガー」かと。「絶品チーズバーガー」なら、まだわかりますよ。

 で、なんで、「エビバーガー」のクーポンが出たのかを考えたんですが、ひとつは「全員にエビバーガーのクーポンを出して、その成果をマーケティングしている」という理由がありえるかなと思いました。全員でなくても、ある特定の条件を満たしているお客様に「エビバーガー」のクーポンを提供して、その成果を見てみよう、と。でも、これだと何で「エビバーガー」なのかの理由がイマイチわからないんですよね。もっと人の好みのない「ハンバーガー」でチャレンジした方が、改善の軸となるマーケティングデータを取得できる気がします。

 もうひとつは、「エビバーガー」のクーポンを出すこと自体が「広告」なのではないかということ。そうなると、「顧客データから好みを割りだし、クーポンを出す」のではなく、「顧客データから好みを割りだし、広告を出稿している商品の中からクーポンを出す」クーポンということになります。これじゃあ、顧客データを分析することの価値が半減するし、「マーケティングに使えるデータ」に成長させるための機会を「広告費という目先の対価」によって失っていることになるのですが・・汗

 ごめんなさい。先に謝っておきますが、これって、本当にオムニチャネル化戦略、実行できていますか?データマーケティングはきちんとやっていますか?システムを入れただけで満足しちゃってないですか?担当者は成果の数字見てるのかな・・。

 まあ、これはTカード担当の役目であって、このスーパーのレジ担当アルバイトの方は何も考えずにマニュアルどおりクーポンを渡してるんだろうし、おそらくこのスーパーの社員・経営者も特段気にせずにクーポンを出して渡してると思うんですが、本当にそれでいいんですかね。個人的にアドバイスするとすれば、Tカードを使って横断的なクーポンを出すのではなくて、まずは「たまご20円引き」とか「牛乳2パックで50円引き」とか、自社内での顧客データを分析して「自社の数字を上げる」マーケティング施策から始めた方がいいよ、というところです。その方が、長い目で見れば自社のノウハウにもなるし、競合他社との差別性にも繋がりますよ。

※ちなみにさらに言うと、そもそも近辺にロッテリアがありません。

 おわり。

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