成果の再現性を探し、その再現性を徹底的に叩く。そしてその再現性を見つけるための方法がデータ活用です。
再現性を見つけたら徹底的に叩く
マーケティングにおいて大切なのは再現性を見つけることです。これを「仕組み」と表現する人もいます。「何をどれくらい実践すれば、どれくらいの成果が出るのか」。この「ある種の法則」こそが再現性になります。
これを理解するのにシンプルなのが広告運用です。10万円の広告をかけると、100万円の売上が取れる。必ずしも100万円の売上ではないが、広告投資に対して利益と新規顧客は十分に取れる。広告運用というアクションに対しての成果が予測できるならば、そこに再現性が生まれます。10万円の広告で100万円の売上が取れるならば、広告費を20万円に増額すればいいのです。200万円の売上が取れれば再現性があるということです。100万円の広告をかければ1,000万円の売上が取れる、かもしれません。
これが再現性を見つけている状態です。再現性を見つけたら徹底的に叩くことが大切です。前述した例ならば、10万円の広告運用についての「お客様に何をどう提案するか」を変えずに、広告金額だけを増やしていくのがマーケティングのセオリーなのです。
連続性のマジックを知る
しかし難しいのが、このセオリーを守りきれない気持ちです。
このケースであれば、「お客様に何をどう提案するのか」を変えて、広告金額を増やしてしまうのです。「お客様に何をどう提案するのか」を変えることは、前提条件を変えることです。10万円の広告運用で100万円の売上が取れていても、前提条件が変われば同じ成果は生まれなくなります。見つけだした再現性を自ら捨ててしまっていることになるのです。「当たっていることは変えない」がセオリーにも関わらずです。
この「変えたくなる気持ち」は連続性のマジックから生まれます。連続性のマジックとは「以前と同じことをやっても結果は出ないのではないか」「同じことをやっても飽きられているのではないか」という気持ちです。これはEC運営者にとって非常に重要なポイントです。まず理解しなければいけないのは、EC運営側には「連続性」はあるが、お客様がみているのはあくまで「一時点」だということです。
ですから、再現性は徹底的に叩いて問題がないのです。仮に広告を打っても、10万円や20万円ならばすべてのお客様にリーチしません。100万円でもリーチしません。そして、リーチしたお客様が商品やショップをおぼえてくれるかというと、おぼえていないでしょう。極端な言い方ですが、あなたのショップはほぼ誰も気にしていないのです。
データ活用で再現性を探す
再現性を探すために大切になるのがデータ活用です。むしろ、再現性を探すためにデータ活用をおこなうといっても過言ではありません。自分たちが日々おこなっている施策・改善策がどれくらい成果につながっているのか。施策Aと改善策Bの成果を数値化し、その効果や優先順位を定量的に示してくれることこそ、データ活用なのです。
あくまでデータ活用は自社内の比較です。他社や上位ネットショップの商品とのCVRやセッションの差が見えれば良いのですが、そうもいきません。自社内の商品や販促や広告の比較、改善施策をおこなっての過去と現在の比較、その中から再現性を見つけていきましょう。データと要因を押さえつづけることが大切な理由です。
再現性はデータ活用から探していく。そのためにデータ活用を継続する。見つけだした再現性は効果の上限がくるまで徹底的に叩く。中小ECのマーケティングセオリーとして覚えておいてください。