ECマーケにおける「良い商品」の考え方とつくり方。
初回のコラムではECにおける「良い商品」の定義として「お客様に探されている商品」ということを。2回目のコラムでは、いかにリサーチをして「探される商品」を見つけるか。そして前回のコラムでは「需要と供給のバランス」について紹介をしてきました。今回は4回目。
発売してみてから、判断する。
前回のコラムで「需要と供給のバランス」について話しました。もし、自社が新商品を発売するとして、市場の需給バランス、市場での競合商品を正確に当てることができるか?といえば、簡単ではないと思います。
ましてや多くのEC事業において、ECサイトで販売する商品は「事前に決まっている」ケースがほとんどです。ここまでのコラムで挙げた「お客様に探される商品」を見つけよう、「需給バランス」を考えよう、などは商品が決まっている時点で少々難しいことかもしれません。
そうなると、まずは商品をECサイトで発売する。発売してみてから、その商品が「売れる商品か売れない商品か」を判断する。この流れでEC運営を進める方が現実的ではあります。(もちろん、商品企画の時点で勝ち負けがある程度決まるのは仕方ないことです)
この判断をするためには、絶対的に「商品数」が必要になります。
商品数は多い方がいい理由
EC戦略を考える上でよく出てくるのが、この「商品数」です。「商品数は多い方がいい」といわれますが、そこにはいくつかの意味があります。
ひとつは、お客様がネットショップに求めているのは商品だからです。当たり前ですが、お客様は商品を購入するためにECサイトにアクセスしています。販促企画を展開するよりも、サービス企画を提供するよりも効果があるのは、やはり新商品の発売なのです。
次に、商品数が多いほどお客様のアクセスにヒットする可能性が高くなるからです。こちらはモールECなら特にですが、商品数が多いほどお客様の検索に当たる商品が増えるわけです。より広くて細やかな網をネット上に張るためにも商品数が多い方がいいのです。
そして、もうひとつです。商品数が多ければ多いほど、データがたまります。商品ごとのデータ分析と比較がわかりやすくなります。今回の「良い商品」の考え方・つくり方でのポイントはまさにこの「データ」なのです。
商品もしくは提案を複数用意する
自社のマーケティングから「良い商品」を見つけるために、まずはある程度の商品をネットショップに登録します。こちらはジャンルによりますが、100~1,000程度の商品を登録したいところです。
商材によっては「単品通販」のケースもあるでしょう。この場合は、セット組みやサイズ、●用など、商品の提案を変えて販売パターンをつくります。商品がひとつならば、提案のケースを増やすことでデータを取るのです。データとは「比較」ですから、比較のパターンをいくつもつくるわけです。
これら商品もしくは提案に対し、一定のアクセスを流し込みます。そうすると、より商品ページが閲覧される商品や閲覧されない商品、購入される商品や購入されない商品がデータによって見えてくるはずです。
もし「商品ページが閲覧され、なおかつ売れまくる」商品があればベストです。ただ、ほとんどの場合「閲覧されるが、その割に売れない」「閲覧されないが、その割に売れる」「閲覧されないし、売れない」この3つのパターンのどれかに商品が集約されていきます。
「閲覧されないし、売れない」こちらは販売を収束の方向にもっていけば問題ありません。問題は「閲覧されるが、その割に売れない」「閲覧されないが、その割に売れる」。この2パターンの商品をいかに「良い商品」にシフトさせていくかです。