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データを施策に活かす。内的要因・外的要因・グレーゾーン【no.2100】

 ECにおけるデータ活用のポイントは「要因の整理」にある。データ活用のポイントは実は「データ自体」ではない。データの裏側に隠れている「要因」にこそ、次の改善施策につながるヒントがあるわけだ。今回のECMJコラムは、内的要因・外的要因・グレーゾーンの話。

データ活用の本質は「データ自体」ではない

 ECビジネスを成長させるためにはデータ活用が欠かせない。日次、週次、月次・・常にデータを追いながら改善施策を進めていく。結果につながった改善は何なのか。結果につながらなかった施策は何なのか。改善施策をおこなった後、データを活用し次の仮説を立てる。そしてまた改善施策をおこない、成果を検証する。このPDCAの繰り返しこそ、ECビジネスを成長させる最大の要因になる。

 ただ、データ活用の本質は「データ自体」ではない。なぜなら、ECビジネスにおいてデータはいつ何時もシステム上から算出できるものだからである。データ活用というと、データを使ってアレコレすることが思い浮かぶが、実はそうではない。結果としてのデータと、その結果につながった「何か」を結びつけることこそが「データ活用」なのだ。そして、その「何か」こそ「要因」になる。結果としてのデータの裏側には必ず「要因」が紐づいている。

 その「要因」ははっきり特定できることもあれば、特定できないこともあるけれども。

「内的要因」と「外的要因」を知る

 要因には2つの種類がある。「内的要因」と「外的要因」のふたつだ。

 まずは「内的要因」。内的要因は「自分たちでおこなった改善施策」「お客様へのアプローチ」になる。ECビジネスであれば、新商品の発売、販促企画のスタート、ネット広告掲載、メルマガ、商品画像の撮り直し、これらはすべて内的要因になる。

 内的要因のデータとの関係性は比較的わかりやすい。自分たちの改善施策、お客様へのアプローチはダイレクトにデータに表れやすいからだ。そして、その行動についても「自分たちで覚えている」ため、データとの関係性がわかりやすい。ただ、「改善施策への工夫」などは時と共に忘れてしまうので、書き残しておくことが望ましい。

 もうひとつが「外的要因」。外的要因は「自分たちでおこなったことではないが、市場や競合の状況によっておこったこと」になる。たとえば、景気の流れや地震や台風などの天災、テレビやSNSなどメディアでの商品、ショップの紹介、これらはすべて外的要因になる。

 外的要因はわかりづらい。内的要因のように自分たちで意識的におこなったことではないので、常に要因を意識していないと見失いがちになる。日々データを閲覧しておくことで、「内的要因ではない何か」がおこったことを察知する嗅覚をつけておきたい。そしてこれも、じきに忘れてしまうので、きちんと書き残しておきたい。

グレーゾーンは「お客様のニーズ」

 重要なのは、このデータと要因の紐づけをいかに「次の改善施策」に落とし込むかだ。

 内的要因の場合。改善施策・アプローチとしておこない、データにもその成果が表れているものは継続だ。データに成果が表れていないものは「やめる」もしくは「工夫する」の2択がある。ここはチームで議論して、施策の可能性を検討していこう。

 外的要因の場合。外的要因は自分たちでコントロールできることではないが、「対処・対策」はできる。つまり、外的要因が起こった際「どんな対処をするか」は事前に決めておくことができるということだ。この「対処を決める」ことが、環境変化へのスピード対応のヒントになる。

 そして最後にひとつ。内的要因化されていない、かといってコントロールできない外的要因でもない「グレーゾーン」が実は存在する。このグレーゾーンは「お客様のニーズ」である。お客様からの問い合わせ、お客様の買い方、お客様の利用目的。ここを注意深く観察することで、内的要因化できるグレーゾーンが見つかるはずだ。

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