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EC事業を成長の流れにのせるために必要なこと【no.2044】

 今回は「EC事業を成長の流れにのせるために必要なこと」についてお話します。

あくまで会社の「強み」を活かす

 売上ゼロのフェイズから成長ラインにのせるためのポイントは「運用改善」にあります。販売する商品、商品の見せ方、ネットショップのコンセプト。これらの成果をデータで判断しながら運用改善を繰り返します。そして、お客様からより反応をもらえるカタチに変えていくのです。ネットショップは立ち上げただけでは良いも悪いもありません。運用改善をすることによってベターなカタチに全体最適をはかっていくのです。

 残念ながら、この時点でEコマース事業を終了してしまう会社さんもあります。リアルビジネスとネットビジネスはその概念が根本から異なります。EC事業をスタートすることで日本全国ひいては世界中がビジネスの対象になります。しかし一方、世界中のEC事業者と戦わなければいけない側面もあります。

 市場の変化へのキャッチアップ(対応)が遅い。競合他社と同じような施策をおこなっている。どこでも購入できるような商品を売る。またネットショップの運用改善が継続できない状態になる。これらの場合、Eコマース事業からの早めの撤退を考えた方が良いかもしれません。リアルの世界はインターネットに比べて競合性が下がります。あえてリアルで勝負するというのも策のひとつです。あくまで会社の「強み」を活かすべきなのです。

「ヒット商品」がECの成長をつくる

 ECが成長ラインにのるためのポイントは「ヒット商品」をみつけることです。商品数を増やす。データを分析する。広告をマーケティングに活用する。これらはすべて「ヒット商品」をみつけたいためです。この「ヒット商品」の『芽』をデータから探していきましょう。

 EC事業において「ヒット商品」が事業の「売上の軸」になることはもちろん、新しいお客様をよびこむための「導線の軸」にもなります。お客様は「商品を知ってからブランドを知る」のです。ブランドで商品を買ってもらえるのはリアルの世界での「認知」がある会社さんだけです。ほとんどの会社さんは「商品」から「ブランド」を知ってもらわなくてはいけません。とにかくまずは商品です。

 「ヒット商品」が見つかったなら、お客様のアクセスを「徹底的」に「ヒット商品」に落とし込みます。お客様が「ヒット商品」を目にすることなくショップから離脱してしまっては負けです。必ずお客様の目に触れるようにアピールしてください。自動返信メールやメルマガの中に必ずリンクを入れておくなどの対策も効果的です。

 実店舗では同じ商品を複数の棚に分けて並べておくことは常識から外れかもしれません。しかし、ECはお客様が「どこからやってきて、どこで離脱するかわからない」のです。あらゆるところでアピールしましょう。

ヒット商品を広げていく

 ヒット商品を早い段階で生み出せるかどうか。そしてヒット商品になりえる商品を見つけることができるかどうか。これが序盤のEコマース事業を左右します。Eコマース事業の月商ゼロのフェイズから月商500万円までのフェイズ。そして月商1,000万円以上のフェイズ。これらはヒット商品が何本あるか、「メガヒット商品」が生まれるかがポイントです。

 そしてEコマース事業を成長させるためには、ヒット商品をよりブラッシュアップし、多くのお客様に知ってもらえるように広げていくことが重要になります。

 まずヒット商品をブラッシュアップすることです。これはヒット商品「自体」だけではありません。ヒット商品の「提案力」を高めることと考えてください。売上は「商品力×提案力×集客力」で決まります。そもそもの商品力がなくては提案力や集客力も意味のないものになります。しかし「ヒット商品=市場での商品力」が見えたなら提案力を強化するタイミングです。

ヒット商品を「軸」とした提案力を高める

 具体的におこないたい施策のひとつは商品ページの作り込みです。画像や商品説明文の改善、用途・目的をわかりやすくすること。そして商品製作の背景などストーリー的なコンテンツを加えていくのもアリです。また注文が増えてくれば、レビューやSNSの投稿など、客観的なコンテンツが増えます。運営側が「おすすめ!」というより、お客様が「おすすめ!」と伝える方が効果的です。

 また作り込みの他に、ヒット商品の「売り方」にバリエーションを持たす方法があります。お客様の用途や目的に合わせて複数のセットで販売するページを作る。個人用と法人用でページを分ける。ヒット商品の横展開や縦展開の商品を企画し販売する。様々な方法があります。とにかくヒット商品を「軸」により興味をもってもらうショップづくりがしたいのです。まずはヒット商品の提案力を高め「売る力」を高める。ヒット商品を展開しお客様の細かい目的にこたえる。これによって転換率(コンバージョン率)を高めていくイメージです。

 ヒット商品の提案力を高める上で、「お客様の動き」に注意を払うことが欠かせません。レビューやSNS投稿を提案力の要素として活用する。お客様の「買い方=注文内容」に気を配り、分析する。場合によっては、お客様に実際にヒアリングしてしまうのも手です。ヒット商品を「軸」とした提案力を高めるために改善活動をおこなうのです。

お客様に比例して販売数も伸びる状態

 ヒット商品を高めるというのは「お客様の数に比例して販売数も伸びる状態」です。つまり、ネットショップのアクセスが100セッションだったときに5売れる状態だったものが、アクセスが1,000セッションになっても50売れる。10,000セッションになっても500売れる。こんな状態に「商品力×提案力」を高めるということです。

 通常、ECはアクセス数が伸びるとコンバージョン率(転換率)は下がります。アクセスが少ない状態は「欲しい人」だけがアクセスしている状態です。アクセスが多くなると「偶然ページにいきついた人」も多くなります。「お客様の数に比例して販売数も伸びる状態」にするためには、「偶然ページにいきついた人」に興味をもってもらう必要があるわけです。これが「ヒット商品を高める」の本質だと考えてください。

広告は能動的にアプローチできる手段

 なぜヒット商品を高めていかなければいけないか。それはEC事業を成長させるためにヒット商品に対して「集客力」を当てたいからです。そしてヒット商品に当てる集客は必ずしも「欲しい人、探している人」だけではありません。「偶然ページにいきついた人」も多く含まれます。アクセスが1,000セッションになったとき5しか売れない状態だとEC事業の収益性として困ってしまいます。少なくとも「アクセスと比較的正比例して売れる」状態にしたいわけです。

 ネットの集客を考えるとき、「3+1」の手段を理解しなくてはいけません。「広告=お金を使ってお客様を集める」。「検索=探している人にヒットしてもらう」。「メディア=情報の発信源を増やす」。そして「+1」が「既存の顧客リストを活用する」です。この中でコストをかけずに取り組むのならば「検索=探している人にヒットしてもらう」「メディア=情報の発信源を増やす」です。ただ、チャレンジしたいのは「広告=お金を使ってお客様を集める」です。なぜなら、広告は我々が能動的にアプローチを増やしていくことができるからです。

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