コストダウンと売上アップの考え方について。
EC事業を展開するあたり、コストダウンと売上アップにバランスよく取り組んでいかなければいけません。ネットショップのコストダウンと売上アップの考え方について書いていきます。
*コストダウンについて
コストダウンの視点はふたつ。「お金」のコストダウンと「時間」のコストダウンの2つの視点を持つことが重要です。前者においてはインターネット広告に投資する金額の最適化。そして後者においては返信メールのテンプレート化などが挙げられます。まずはコストダウンに関わる各項目を順に見ていきましょう。
1.広告管理
広告管理は主に「お金」のコストダウンに繋がります。出稿した画像や動画、テキストと成果データを分析し、投資の最適化が求められます。さらに成果からの逆算で、サービスの対象となるお客様をより絞ることも可能になります。これにより結果として広告費を大きく削減することができます。たとえば広告の「やりっぱなし」が多い会社さんは特にです。成果の検証をするだけで、数百~数千万の年間広告費を削れる場合もあります。
2.在庫管理
在庫管理も主に「お金」のコストダウンに繋がります。当たり前ですが在庫が増えれば増えるほどモノの管理が大変になります。ですので、「時間」のコストダウンにも繋がるとも言えます。在庫の回転率、回転期間、発注/納品のデータを見ることで、適正な在庫数を図ることができます。そして、在庫過多になりつつある商品に早目の手を打つことができるようになります。もちろん在庫はお金ですから、死に在庫が減れば、そのままコストダウンに繋がります。
3.物流管理
物流管理は主に「時間」のコストダウンに繋がります。たとえば物流倉庫における在庫の棚のレイアウト。そして棚から商品をピッキングする際の導線。発送数に合わせた発送ラインの構築。商品の発注と入庫/出庫のタイミングによる物量のコントロール。バーコードを使った商品管理の管理。これらによって物流業務を最適化・効率化し「時間」を削減していきます。結果、アルバイトさんや社員の時間が最適化され、「お金」のコストも下がります。
4.システム管理
システム管理は主に「時間」のコストダウンに繋がります。受注のシステムや発送のシステム、在庫管理のシステム、メール管理のシステム。システムを活用することによって業務を効率化し、「時間」を削減していきます。もちろんEコマース事業のスタート時はアナログな方法で十分です。しかし注文数や問い合わせ数、対応する人数が増えればシステムの導入が不可欠です。さらに、システムの導入は社内の情報共有にも役立ちます。
5.運営管理
運営管理は主に「時間」のコストダウンに繋がります。メールのテンプレートを用意しているか。業務がマニュアル化されているか。パソコンのデフラグを定期的に行っているか。エクセルの関数は知っているか。メーラーのフォルダ分けが最適に行われているか。大きなものから小さなものまで。スキルやテクニック、ノウハウを社内で共有し徹底できているか。これが最終的な業務の効率性に関わってきます。運営管理のレベルを全社的なミッションとしてレベルアップさせることが大切です。
続いて売上アップのポイントです。
0.売上アップのための数値管理
コストダウンと売上アップ、全般として言えることです。日々の業務に関わる全ての成果を数字で管理できる体制が必要になります。Eコマース事業を進める中で、EC担当者は、全ての行動を数値化できれば最高です。また、数値化する習慣(癖)がついていれば最高です。もちろん、全てを数値化する理由は、「人を縛るためではなく、人がより最適に動けるようにするため」。つまり仕事の環境を良くするためであることを忘れないでください。
< h2>1.運営/実行管理
運営と実行の管理とは、販売スケジュールの管理ということになります。新作の発売やキャンペーンのアップ、セール企画のアップなどの販売スケジュールから逆算して、商品の企画や発注・入荷、商品の写真撮りや商品説明テキストの作成そしてページの制作、既存顧客への告知、ネット広告やSNSを使った集客など、日々の業務「今、私は何の仕事をやればいいのか?」に落とし込まれているか、ということです。ひとつは全体的な販売スケジュールの流れ。そして個々人の日々のスケジュールへの落とし込みの2つの視点が必要になります。
2.意欲管理
意欲管理というよりも「マインド」管理といった方が適切かもしれません。つまりEコマースという仕事に向かう上でのベースとなる考え方のことです。たとえ、インターネットビジネスへの深い理解があり、テクニックやスキルを持っていたとしても、取り組む姿勢が乱れていては成果を伴うことはできません。そしてベースとなる考え方が本当のベースになるためには、日々の「習慣づけ」が大切です。
3.顧客管理
顧客管理の目的は、自社のサービスを利用するお客様の像を明確にすることです。仮に他店と同じ商品を取り扱っていたとしても、サイトのテイストやモデルの写真、説明文での提案方法、メールマガジンの内容、端的にいえば運営している会社や人によって、お客様が微妙に異なります。アンケートや購買行動のデータ・レビュー、リアルイベントなどを通じてお客様を明確にし、そのお客様に利用してもらうための広告戦略を考える、商品企画を考える、というのがセオリーです。
4.受注管理
お客様が購入してくれた商品・サービスの分析。これにより、次の販売商品や、サイト内での露出の強弱、広告商品などを検討します。たとえば新規顧客が購入している商品。たとえば売上における高額商品の割合。そしてリピートの頻度。これらを様々な角度から注文を分析し、次の販売戦略に繋げていきます。まさに鉱脈を見つけるための源泉が受注管理です。
5.商品管理
商品管理は受注管理(注文管理)とは異なります。受注管理がお客様の注文した商品の分析(つまり過去の分析)です。しかし商品管理は未来を予測した仕事です。季節性、流行トレンドを加味した上での商品の企画や仕入れ先の開拓。そして仕入れ商品の検討は商品管理としての仕事になります。顧客管理と受注管理で得られるデータの2つを活かして商品管理をすることが重要です。
―――コストダウンと売上アップのご紹介した11のポイント。各々どう改善していくかのミーティングを開くのが理想です。ミーティングの数は多くなりますが、「1ミーティング20分間、数値のチェックと1つの改善案の決定(実践)」を習慣にすれば、着実な前進が図れます。会社に合った形を探してみてください。
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