サイトアイコン ECMJ

ネットのデータとリアルのデータの繋げ方が成長を左右する【no.2018】

 ネットのデータとリアルのデータの繋げ方が成長を左右する。ビジネスにおけるインターネットの活用は「3+1」に集約されます。

*インターネットの活用「3+1」とは

 インターネット活用の「3+1」。ひとつ目は、「ネットで集客をして、ネットで決済をする」ビジネスです。主にECやWEBサービス、特にBtoCのサービスがこのパターンに当てはまります。「ネットだけでビジネスが完結してしまう」パターンです。

 ただ、一部のBtoCサービスやBtoBビジネスには「ネットで集客をして、リアルの商談を経て受注にいたる」パターンがあります。BtoCだと不動産や自動車販売などはこのパターンに当てはまります。BtoBビジネスの多くは「ネットから問い合わせをもらう」ことを目的としています。これがふたつ目。

 さて3つ目のパターンです。「ネットで集客」をするものの「ネット上で決済や問い合わせ」を必要としないビジネスです。たとえば、実店舗のビジネスはこのケースにあたります。「ネットでたくさんの方に知ってもらいリアルの場にきて欲しい」。いわゆる「ブランディング」としてのインターネット活用です。

*「3+1」の「+1」は完全なるインターネット完結型

 インターネットを活用する「3+1」のパターン。自社のビジネスがどれにあてはまるか。なんとなくイメージができるのではないでしょうか。

 そして、必ずしも「うちの会社はひとつ目」と、「ひとつの会社がひとつ」ではありません。メーカーの事業と直販の事業をおこなっている会社ならば「ひとつ目とふたつ目」。ECと実店舗を営んでいる会社ならば「ひとつ目と3つ目」と、複数の目的を持たしているはずです。

 さて「+1」は特別なケースです。「ネットで集客をする。ただ決済や問い合わせやリアルを持たない」。ネットで完全完結してしまうパターンがあります。インターネットメディアです。メディアは主に広告収入が売上です。WEBメディアしかりSNSしかり、存在自体がコンテンツとなり収益モデルになります。ひとつ目のパターンとは異なるため、「+1」として紹介をしました。

*「データをとって、毎日カイゼンをする」ことは変わらない

 インターネットの活用には「3+1」のパターンがあることをお伝えしました。いずれのパターンもやらなくてはいけないのは「データをとって、毎日カイゼン」です。ネットとリアルから収集したデータを使って、マーケティングを展開していくのです。これが「デジタルマーケティング」の本質です。

 本質は一緒ですが、「3+1」のパターンは「分析するデータ」が異なります。異なるポイントは「リアルのデータをどこまで加味するか」です。ひとつ目と4つ目のネット活用はネットを経由するデータで分析が完結します。ふたつ目と3つ目のネット活用は「リアルのデータ」を活用してマーケティングの成果検証をおこない、その施策をブラッシュアップしていきます。

 インターネットのデータとリアルのデータの繋げ方。このイメージが湧くか湧かないかが今後のビジネスの成長を大きく左右しそうです。

*ネットのビジネスとリアルのビジネスの「データ勘」の違い

 まず市場環境の前提として「ネットとリアルのビジネスの『データ勘』の違い」を説明します。結論からいうと、「データ勘」について「ネットの方がリアルのビジネスに比べて鋭い」状態にあります。

 なぜならば、ネットのビジネスとは「データのビジネス」であるからです。ECもソーシャルゲームもSNSもすべてデータを元にしてビジネスが回っています。原理原則である「データをとって、毎日カイゼン」を元にビジネスが運用されています。データを活用していない会社はネットでは生き残れません。

 この「基本」に例外があるとすれば、リアルビジネスでの「ブランド性」です。リアルにブランドがあれば、データを活用できていなくてもサービスは利用されます。ブランドはすべてを超えるわけです。

*リアルビジネスはデータを必要としてこなかった

 ネットという概念が浸透し、ビジネスとして一般化してきたのはこの20年程です。マーケティングにデータを活用する概念は薄く、業務の効率化や会計管理や在庫管理(つまりバックヤード業務)にITは活用されてきました。データ活用も概念はあったとはいえ、一般化してきたのはこの数年です。

 リアルのビジネスは長らくマーケティングとしてのデータを必要としてきませんでした。成果検証としてのデータ活用や、細かいセグメンテーションを使ったデータサイエンスの概念はありませんでした。精度の高いデータを大量に取得し、集計することがリアルではできなかったわけです。

 まだまだネットのビジネスがリアルのビジネスに展開するケースよりも、リアルのビジネスがネットのビジネスに展開していくケースの方が多い状況です。データマーケティングの力をつけなければ、ネットの活用が不十分になります。

*リアルビジネスでの自社のデータを意識する

 ネットのビジネスをおこなう事業者には「データ活用」が前提として備わっています。リアルのビジネスからネットのビジネスに展開し、成功・成果に繋げる。そのためには会社組織でのデータに対する意識改革をしなければいけません。まずはネットのデータではなく、母体のビジネスのデータを意識することでしょう。

 リアルのビジネスのデータを意識する。もしかしたらリアルのデータづくりから始めなければいけないかもしれません。帳簿やFAXなど紙をベースにしたデータのやり取り。営業さんの頭の中にある情報。これらは会社組織に共有するデータにはなっていません。「ネットのデータとリアルのデータを繋げる」ため、ここからスタートしなければいけません。

 インターネットのビジネスは「データのビジネス」です。常にデータをみながら、自社の改善活動・マーケティング活動の効果を検証し、次の仮説を立て、さらに次の具体施策に動いていくのです。

*ネットからデジタルマーケティングに入っていく

 リアルのビジネスはネットのビジネスに比べてデータに触れる機会が少なく、感性が養われづらいことが難点です。リアルのビジネスを展開してきた事業者がネットに参入したとき、成長の軌道に乗るのが遅れる理由がここにあります。「データ活用の認識」です。

 とはいえ、「もっとデータを気にしましょう!」と説いたとしても、「データを気にしている状態は何かがわからない」というのが現実でしょう。リアルビジネスのデータ活用としてSFAやMA(マーケティングオートメーション)があります。しかしデータやマーケティングの概念を知らないと「ただシステムを回している」状態になりかねません。

 デジタルマーケティングを理解する。データ活用の概念を知る。会社組織や人材を「デジタルの人材」に変えるひとつの方法として、ネットのマーケティングからデジタルマーケティングに入るのはどうでしょうか。

*リアルビジネスのインターネット活用

 「3+1」のうちリアルビジネスに関係するのは、「ネットで集客をして、リアルの商談を経て受注にいたる」パターンと「ネットで集客をして、リアルの場に足を運んでもらう」パターンのふたつです。

 ふたつ目のパターンとして主にBtoBのビジネスが挙げられます。ネットで新しいお客様に知ってもらう。ネットでサービスを説明する。そしてお客様に「問い合わせ・資料請求など」をネット上からおこなってもらう。そしてリアルの商談を介して受注に繋げるマーケティングです。

 このふたつ目のパターンの「ネットとリアルのデータの繋げ方」について考えていきます。

*デジタルマーケティング全体の流れを知る

 新規顧客を獲得するためにインターネット広告をかけた方がいいのか。SNSをやるならTwitterかFacebookか。Instagramが合いそうなサービスではないがどうしたら良さそうか。セミナーで配布するパンフレットとして既存のものは良いのか悪いのか。

 デジタルマーケティングを展開するにあたっての検討ポイントは様々あります。手法や手段はたくさんあります。ただ「手法や手段」から入ってしまうと、目的と手段が逆転することになりかねません。まずは自社のデジタルマーケティングの「全体の流れ」を把握することです。

 全体像を知ることが、自社を進捗させるための「軸」と「土台」になります。手法や手段は後です。たとえ素晴らしいツールでも、「自社に合わなければ導入しなくて良い」わけです。逆にデジタルとは程遠いアナログな手法でも、自社の補完材料になるかもしれません。

*自社のデジタルマーケティングの全体像

 ネットの活用のふたつ目のパターンの会社のデジタルマーケティングの全体像は概ねこのような形ではないでしょうか。

1.WEBサイト集客

 潜在顧客を自社のWEBサイトに誘導します。WEBサイトへの導線をいかにして多く、そして太くしていくかが課題になります。ネットからの集客であれば広告や検索対策、SNS。リアルからWEBサイトへの導線もここで管理します。

2.WEBサイト問い合わせ

 サイトを閲覧した潜在顧客から問い合わせをもらうことで見込顧客になってもらいます。WEBサイトからの問い合わせは「問い合わせフォーム」だけではありません。電話やFAXでの問い合わせも「WEBサイトからの問い合わせ」に含まれます。顧客層に合った問い合わせの方法を強化していきましょう。

3.商談

 「ネット×リアル」のパターンでは受注までにリアルの「商談」が絡みます。サービスによって、「商談」ではなく「セミナー参加」だったり「メルマガ登録」だったり、また「商談」にも複数のステップが用意されている場合もあります。明文化したいですね。

4.受注

 WEBサイトへの集客、問い合わせ、商談を経て、受注に繋がります。場合によっては受注の前に「見積」という段階があるかもしれません。商談の一部に組み込みましょう。

*全体像の現在の状況(数字)を把握する

 ふたつ目パターンの会社のデジタルマーケティングは概ね上記1~4で動いています。ここでのポイントは1と2はネット上のお客様の動き。そして3と4はリアルでのお客様の動きだということです。この2と3に「ネット×リアルのデータ活用」が潜んでいます。

 この流れを把握した上で、1~4の流れの自社の数字の推移を知りましょう。1~4をステップ1からステップ4として、現状どんな数字で流れているのかを集計、データ化します。まずは月次での過去12か月分の数字の推移を可視化してください。

 デジタルマーケティングを展開するとき、大切なのは「全体像」を把握することです。マーケティングツールやシステムの知識や選択ではありません。

*どこからお客様は入ってきて、どこに帰結するのか

 お客様がどこから入ってきて、最終的にどこに帰結するのか。もちろん「帰結」は「売上」や「受注」になりますが、この「お客様の流れ」をステップに分けていきます。

 「WEBサイト集客」「WEBサイト問い合わせ」「商談」「受注」この4つのステップです。ネットから新規のお客様にサービスを知ってもらう。WEBサイトでサービスに興味をもらって問い合わせに繋げる。問い合わせをいただいたお客様とアポイントを取って、数度の商談を繰り返して注文をいただく。この流れです。

 このときポイントになるが「WEBサイト問い合わせ」と「商談」の境目です。「WEBサイト集客」と「WEBサイト問い合わせ」がネットでのマーケティング、「商談」と「受注」がリアルでのマーケティングになります。全体像として「リアルとネット」を「一本の軸」にすることが肝心です。

*ステップの数字を把握、可視化する

 4つのステップの数字を可視化するところからデジタルマーケティングは始まります。

 どれくらいのお客様がWEBサイトを閲覧してくれているのか。お客様がサービスのどのページを閲覧し、問い合わせをしてくれているのか。どれくらいのお客様が商談に繋がっているのか。どれくらいの回数・どんな商談をおこなうのか。見積もりと注文に繋がった数はどれくらいか。どんなサービスの利用してくれたのか。この全体像を把握するのです。

*ステップを可視化して考えるふたつの方向性

 目的はあくまで「売上」を伸ばすこと、「受注」を増やすことです。ステップを可視化した後で考える方向性はふたつあります。

 ひとつは全体の数字を増やすことで「売上」「受注」を増やせないかと考えることです。入り口である「WEBサイト集客」が倍になれば、以降も倍になる「可能性」があります。お客様の流れの経路のどこかを増やすことで結果を増やせないか、と考えるのがひとつ。

 もうひとつは「引き上げ率」を改善することで「売上」「受注」を増やす考え方です。仮に「WEBサイト集客」や「WEBサイト問い合わせ」もしくは「商談の回数」が減ったとしても、「売上」や「受注」が増えれば問題がないわけです。「売上」「受注」に繋がるサービスや顧客層を分析することで確率を上げる考え方です。

 スタート時点では「量を増やす」も「質を上げる」も具体施策が多くあります。いずれかの方法があることを理解しておきましょう。最終的な目標である「売上(や受注)」を増やすこと。それは数字を大きくするか、引き上げ率をアップさせることで実現可能です。

*現状の数値データを紐解く

 12ヵ月のデータを可視化することで推移を知ることができるようになりました。数字の上下、突発的な動きなど気になる部分があるでしょう。大切なのは、「データから次の施策のための仮説を立てる」ではありません。「データから『理由を探し』、次の施策のための仮説を立てる」ことです。

 可視化されたデータの裏側に「どんな理由が隠されているか」を紐解くことにあります。そのために必要になるのが12ヵ月分の「内的要因」と「外的要因」です。

*「内的要因」と「外的要因」が整理され、蓄積されているか

 「内的要因」は自分たちがお客様に対しておこなったこと。施策や改善策は「内的要因」にあたります。「外的要因」は自分たちがお客様に対しておこなったことではないけれど、お客様に影響を与えること。市場環境の変化や競合他社の動向は「外的要因」にあたります。

 可視化されたデータは何らかの「内的要因」「外的要因」が反映されたものです。「自分たちがおこなって」数字に表れているか、もしくは「市場環境に何らかの変化が起こって」数字に表れているわけです。

 12ヵ月のデータに対して「内的要因」と「外的要因」を付け合わせていくのです。そうすると結果に寄与している部分がどこなのかが何となく見えてきます。もし「内的要因」「外的要因」が残っていないという会社さんがあれば、今日から頑張って残しましょう。数値データよりも、「原因」データの方が会社の資産です。

*「集客導線」のデータだけを分割する

 「集客導線」についてはデータを分けて考えます。WEBサイトのアクセスが仮に1日1,000セッションだったとします。その1,000セッションはいくつかの導線が合わさって1,000という数字になっています。「集客導線」にはいくつかのパターンがあります。

 ネット広告経由でのWEBサイトへのアクセスもあれば、自然検索でのアクセスもあります。SNSからのアクセスもありますし、参照元からのアクセスもあるはずです。どこからどれだけのアクセスがあるかは把握をしておいた方が良いでしょう。

 このデータは「入り口」の分析として後ほど活用します。「より受注率、成約率が高いお客様はどの経路の導線から入ってきたのか」を分析して手を打つのです。現状のデータを可視化し、原因になった「内的要因」と「外的要因」を整理します。「集客導線」については因数分解をして状態を知っておきましょう。

*インターネットマーケティングを切り出す

 ネットの活用パターンふたつ目は「ネットのデータとリアルのデータの繋げ方が成長を左右する」わけです。マーケティングの全体像を把握した上で「ネット」の部分だけを切り出します。

 「ネットで集客をしてネットで問い合わせをもらう」の流れになっているはずです。あくまでWEBサイトの目的としては「見込顧客から問い合わせをもらう」ことです。なので、たとえサイトのアクセスが減ったとしても、問い合わせ数が増えていれば問題ないわけです。

 ここで考えたいポイントは「どんなお客様がネット経由で問い合わせてくれたか」です。ここがリアルのデータとして整理されているか否かでネットでの情報発信が変わってきます。

*問い合わせのパターン、受注に繋がるパターン

 「どんなお客様がインターネット経由で問い合わせをしてくれたか」。もっと踏み込むと「どんなお客様が受注に繋がるか」。このデータが重要です。自社のサービスレベルや市場でのポジショニングを考えた上、「受注に繋がりやすいお客様はどんなお客様なのか」をWEBサイト改善の材料にしたいわけです。

 たとえば、デザイン性が非常に高い自動車があったとします。お客様がその自動車の購入を決めるポイントの多くが「デザインが斬新的だから」「デザインがカッコいいから」だったとしたら、WEBサイト上でもその高いデザイン性が伝わるコンテンツを増やさなければいけません。また高いデザイン性を好むお客様に繋がる「集客導線」をつくることになります。

*いまのお客様は何でお客様になってくれているのか

 同じ自動車で、お客様からの問い合わせが特定のモデルに偏っていたとします。であれば、WEBサイトのメイン画像もその特定のモデルにした方がいいかもしれません。コンテンツを偏らせてお客様に情報を伝える必要があります。「集客導線」についても、セダンとクーペとSUVではお客様の「用途」が異なります。合致する用途・目的・課題解決のユーザー層にアプローチを仕掛けていきましょう。

 大切なのは「いまのお客様は何でお客様になってくれているのか」。それをこれまでのデータから想像することです。データの推移をみれば、自分たちが改善をおこなったタイミングで数字が動いていたり、原因はわからないけれど数字が上下しているところがわかるはずです。自社の過去の履歴がマーケティングを展開していく上で一番の財産なのです。

*リアルのデータをまとめ、蓄積する仕組み

 リアルの「原因と結果」の整理をすることがマーケティングのポイントです。ネットで自動的に蓄積されるデータもリアルでは「手間をかけて入力」しないと可視化できません。リアルにおけるSFA/CRMの活用も、マーケティングになるのは「データを入力した後」です。「データを入力・確認」するのはまだまだアナログな部分が多いのです。

 逆にいえば、この「アナログな部分」を自社の中で自動化したり、ルーチンで回す癖をつけられるかが市場の中で飛びぬけやすいとも考えられます。

*2方向から改善活動を進めていく

 「ネット×リアル」のデジタルマーケティングはネット側からのデータ分析とリアルからのデータ分析の2方向から改善活動を進めていきます。必ず2方向の両面からの改善が必要です。

 ネット側からのデータ分析は集客のデータから始まります。WEBサイトにアクセスしているユーザーはどれくらいいるか。集客導線として「インターネット検索」「SNS(ソーシャルメディア)」「インターネット広告」のどこの導線が強いのか。ここから理解をしていくのが大切です。

 次にWEBサイト上でのユーザーの動きです。WEBサイトを訪れたユーザーは潜在顧客になります。潜在顧客がどこに着地し、どのページを経由してお問い合わせページに訪れるのか。WEBサイトの中での流れを理解していきます。

 ここからはリアルのデータ分析です。お問い合わせをいただいた「潜在顧客→見込顧客」はどれくらいいるのか。どんな属性の方なのか。はたまたどんな悩みを抱えているのか。商談を受注に結び付けるためにはどうすれば良いのか。最終地点である受注のデータに至る流れをつくっていきます。

*リアル→ネット。逆算のデータ分析を行う

 もうひとつポイントになるのは逆方面からデータ分析を行うことです。実際に受注になったお客様のリストを作成して、受注になっている(もしくはなりやすい)パターンやケースを想定。そして、ネットとリアルのマーケティング活動を行っていくのです。

 まずは受注したサービスは何か、から逆算のデータ分析を行います。リアルの商談の中で受注につながったお客様はどんな過程を踏んだのかを調べます。ここはリアルではなくネットです。

 どんなタイミングで問い合わせをくれたのか。問い合わせをしてくれたときの内容(不安に思われていたこと)は何なのか。WEBサイト上のどのコンテンツをみて問い合わせをくれたのか。そしてどんな経路から自社のWEBサイトの存在(もしくはサービスの存在)を知ったのか。

 この逆算の分析を進めることで、より受注に繋がっているポイントが明確になります。また市場環境の中で自分たちのビジネスがどの位置にいるのかを知ることができます。「差別性」「違い」になっている部分を知れるわけです。

*逆算のデータ分析だけではいけない理由

 受注からさかのぼってアクセス経路を探す「逆算のデータ分析」に注力した方が良さそうに思えてしまいます。しかし「両面のデータ分析」を続けて、マーケティングを進めていくことが大切です。

 逆算のデータ分析からわかるのは、あくまで「これまでの受注になったケース」です。ここを太くするのはもちろんですが、自社のサービスが受注につながるケースが他にないわけではありません。新しいお客様のニーズを探す。そのためにも、ネットの集客から始まる通常のデータ分析をすることも大切なのです。

 通常のデータ分析のポイントはデータの変化を見逃さないことと。そしてデータが動くような「極端なこと」をやってみることです。「何で数字が動いたかがわかれば、どうすれば数字が動くかがわかる」。この考え方を持って「ネット×リアル」のデータ分析を進めれば、ネットの活用方法ふたつ目のパターンをマスターすることができます。

 大切なのはデータ分析と改善活動を「継続」していくことです。

【合わせて読みたい】
データ分析とは、「過去のデータ」と「現在のデータ」の比較【no.1185】
組織変革でサブスクに舵を切る「ダイヤモンド」、雑誌社ならではの勝算とは?

モバイルバージョンを終了