著者:石田 麻琴

広告をみたお客様は何という言葉で検索をするのか【no.2016】

 その広告をみたお客様は何という言葉で検索をするのか。これが今回のコラムのテーマです。

お客様がどうやってネット検索するか

 先日、打ち合わせをおこなった中で雑誌広告の効果を上げられないか、という議題があがりました。

 この会社さんでは長く雑誌広告を掲載しています。雑誌広告を掲載した際、電話注文・FAX注文が伸びます。また同様にオンラインショップを経由しての注文も伸びるのです。月に1回のペースで雑誌広告を掲載し、売上につなげています。雑誌広告の効果を上げるためにはどうするか。まず実際の雑誌広告の誌面を見せてもらうことにしました。

 もちろんECMJは雑誌広告専門のコンサルティング会社ではありません。「こうやったらより売れますよ」というノウハウはありません。ただ、雑誌広告を経由したネット注文を伸ばす場合、「広告をみたお客様がどうやってネット検索するか」がポイントになりますよ、という話をしました。

 だとすれば、現状の雑誌広告にどのような改善を加えればいいか、どのような要素を加えることができるか。ここから改善施策の会議が議論がスタートしました。

お客様はネット検索をしている

 以前、ECMJコラムで「財宝」について書きました。ご存じの方もいらっしゃると思います。財宝社は鹿児島県鹿屋市に本社を置くミネラルウォーター・健康食品のメーカーさんです。この財宝社が東京ドームに看板広告を出していた時期がありました。

 看板に載っているのは青の白ヌキで「財宝」という文字だけ。会社に関する情報や商品に関する情報は一切ありません。タレントさんもいませんし、商品の画像すらない。なにやら得体の知れない看板広告だったわけですが、インターネット社会・スマホ社会の中、「財宝」という言葉でネット検索してもらおうという狙いが明確です。

 現代の広告は「お客様がインターネットでどう調べるか」を考慮しなくてはいけません。たとえ雑誌広告でもです。なぜならば、お客様は購入前にネット検索をしているからです。

お客様に一本の線を提示する

 そう考えれば、広告をみたお客様が「何をキーワードにして」ネット検索するか。逆にいえば、ネット検索をする際に「何をキーワードにしてもらうか」。それを誘導してあげることも広告デザインの仕事になるといえます。

 付け加えるならばその後です。お客様にネット検索してもらうキーワードを決めた後です。実際にそのキーワードで検索した際に自社のページが上位に出てくるか。そのページを開いたときに広告掲載の商品が目に留まるか。お客様が探してしまうようではいけません。今回の場合であれば、「雑誌掲載商品」などとナビゲーションを用意する必要があります。

 大切なのは誌面(新聞ならば紙面)からネットの注文に至るまで、お客様に一本の線を提示することです。お客様が困らず、迷わず、悩まずに注文できる一本の線です。

 オンラインからだけではなく、オフラインからの一本の線を引くにはどんな改善が必要か。ぜひ社内でも話し合ってみてください。

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