ECというビジネスはどうしても買い回りが少なくなります。リアルのスーパーや100円ショップのように、お客様が30点40点を購入していく。こんなケースはまだまだないんですね。
ECはショップ間の移動コストがほぼゼロ
ECの特徴はオンラインショップ間の移動コストがほぼゼロなことです。リアルの世界であれば、移動には時間とお金のコストがかかります。東京のショップから仙台のショップに行き、大阪のショップに行って、東京のショップに戻ってくる。こんなことをすると時間とお金のコストが大量にかかります。1,000円2,000円の買い物のためには負えないコストです。
しかし、ECはショップ間の移動コストがほぼゼロです。そのためお客様はショップを比較しながら商品を探していくことができます。また、ショップの混雑という概念もありません。このお店は混んでるから隣のお店で買おうということはありません。そして、在庫についてもリアルの店舗よりは物理的に多くの在庫を保有することができます。
オンラインショップが特定の「勝ち組」店舗に注文が集まりやすいのはこのためです。
「この商品はこのショップで買う」状態を導く
反面、ECに乏しいのが商品の「一覧性」です。スーパーやアパレルショップの実店舗のように、パーっと周りを見回して目に留まったものを確認することができません。システムやデバイスによる制約がまだまだある状態なのです。スーパーや100円ショップのように、欲しいモノをバンバン買い物かごに入れていくということもできません。まだどこかにストレスがある状態なのです。
ECはオンラインショップ同士の比較がしやすい反面、商品同士の比較がしづらいのが難点です。また、検索や導線の観点から、特定の「売れ筋商品」の露出が高まりやすいのが特徴です。結果として、特定の商品が「売れ筋商品」かつ「導線商品」になります。受注が偏りやすいのです。
これがECでは「この商品はこのオンラインショップで買う」という状態を導く原因になります。特定の「売れ筋商品」を含めた、小数点数での決済になりやすいのです。
30点決済のようなことは起こりづらい
スーパーでの購入のように30点40点といった決済は現状のECではなりえません。もちろん理由としては、単価が安いものはあまりECに向いていないこと、そしてシステムやデバイス上、買い回りがしづらいことが原因に挙げられます。100円ショップのECサイトがあったとしても、30点決済のようなことは起こりづらいのです。(そしておそらく100円ショップの場合はお客様は実店舗にいきます)
もしこの状況が変えられるとしたら、話題になっている「メタバース」の世界でしょう。仮想空間の中で商品の「一覧性」が解消される可能性があります。
もうひとつ、商品の決済点数に影響を与えるのが送料無料ラインです。必要性の高い商品の購入であれば、送料無料のラインまでお客様が購入点数を増やす可能性はあります。逆に、Amazonプライムなど1点でも送料無料になるものは、1点での決済が非常に多くなります。
ECはなぜか1点~5点ほどの商品の購入決済に落ち着きやすい。不思議なことです。
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