コインランドリー事業のカスタマーサポートの話。
昨年(2021年)12月のことです。EC業界のみなさんと勉強会をする機会がありました。といっても、実はほとんどのみなさんがすでにEC業界を離れています。元EC業界のみなさんがどのような仕事をしているのか、そんな勉強会だったのですね。
この勉強会に参加された元EC業界のみなさん。わたしがEC業界に入ったときに大活躍されていた経営者のみなさんです。わたしにとっての憧れの先輩方でもあります。そんなみなさんがいまどのような仕事をしているのかには、非常に興味がありました。
その中で特に興味深かった話があったので、今回のECMJコラムで紹介したいと思います。いま、コインランドリーの事業をやられている経営者の方がいたんですね。
デジタル化が進むコインランドリー事業
コインランドリー事業は昨今比較的流行っているビジネスです。ご存じの方も多いのではないかと思います。最近、夫婦共働きで洗濯の家事をお金をかけて済ます人が増えています。また、洗濯機を置くスペースがないワンルームもあります。コロナ禍で平日でもコインランドリーを使う時間ができていることもあります。そして手離れもよく、利回りの良いビジネスのひとつとして再定義されているようです。
昨今のコインランドリー事業はデジタル化が進んでいるようです。アプリでの会員証を発行してそこで電子マネーをチャージできる。来店ポイントが加算できる。プッシュ通知が使える。マーケティング面でも従来のコインランドリーとは違いがあるようです。
1日でスタッフの方の出勤はわずか4時間
会員登録上の質問や機械のメンテナンス、またこちらはカフェ併設なので、カフェスペースの掃除や整頓の仕事があります。しかしなんと1日でスタッフの方は4時間しか出勤しないというのです。あとの20時間は完全に無人状態でコインランドリー店舗を回していると。なので、カフェスペースも20時間ほどは人がいません。
この経営者さんの勉強会での発表の後、思わず聞きにいったんですね。「1日4時間(たしか10時から14時とか)しか人いなくて大丈夫なんですか?」と。そうしたら「全然大丈夫。お客様にも質問があれば10時から14時の間に来店してくれと言ってあるので、問題ないよ」ということなんですね。なんでも、次は1時間減らし「1日3時間だけ」を試してみる。そしてその次は「週1日不在日をつくる」を試してみるとか・・
その話を聞いて思い出したことがありました。このコインランドリー事業の経営者さんが昔EC事業をやっていたときのこと。オンラインショップのカスタマーサポートの稼働時間が短かったことです。通常のオンラインショップだと「10時から18時」などになっているところが多くあります。このオンラインショップは「11時から16時」といった感じでした。ただオンラインショップも数十億円の売上がありましたし、今回のコインランドリー事業も着実に数字を伸ばしているようなんですよね。
必ずしも「長いからいい」わけではない
お客様の質問や相談、問い合わせ、カスタマーサポートの時間が長い方がよいか。それとも短い方がよいか。その良し悪しにはさまざま意見があると思います。ここで言いたいのは、必ずしも「長いからいい」わけではない、ってことなんですよね。どこか実店舗の営業時間に合わせて時間を決めている部分があります。しかし、これは我々がもっている固定観念のひとつなのかもしれません。
「カスタマーサポートの時間を充実させるより、コインランドリーの使い方を丁寧にわかりやすくしておくことが大事、さらにそれより説明不要なシンプルな事業をお客様に提供することがもっと大事」なのかもしれません。
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