著者:石田 麻琴

顧客像(ペルソナ)の購買行動と習慣を見直す【no.1982】

 顧客像(ペルソナ)の購買行動と習慣を見直す、という話です。

コラムの多いテーマとして「SNSの活用」がある

 コロナ禍によってEコマースの需要と裾野が拡大してきた。SNSを活用したライブ配信や認知度アップ、ストーリー共感の重要性が高まってきた。これらの動きがこの数年で加速しています。ECMJコラムでもこのあたりについて書いていることが最近多くあります。ですが、逆の視点として「おいてけぼり」になっているユーザーもいるのではないかと。今回のコラムはそんな話。

 昨今、主流になりつつあるのがSNSやインフルエンサーを活用したマーケティングです。YoutubeやInstagramでメディアをもっている個人がひとつのブランドになる時代です。これは個人メディアが信用を担保する時代になっていると言えます。たとえばYoutuberが企画した商品が売れまくるなんて、ひと昔は考えられなかったことです。

 Youtubeが「好きなことで生きていく」というテレビCMを打ったのは2014年。多くの視聴者の方が、「はぁ・・」と思ったと思うんですね。わたしもそのひとりです。しかし時代が流れれば慣れるもので、いまではYoutubeを見る層が広がっています。同じようにInstagramもですね。若い世代がそのまま年を重ね、世代が入れ替わっているわけですから当然です。かといって、すべての世代が入れ替わっているわけではありません。

自社サイトでの購入の裏にモール出店の信用がある?

 自分を例にとればTwitterは激しくやっています。Facebookは激しくやったがほぼ放置です。Instagramはアカウントはつくって見る専門です。Youtubeは過去の動画をみるのがメインでチャンネル登録しているものはありません。LINEは家族と友人と連絡をとるのに使っています。マーケターとしては様々評価な気がするところです。ただ、同世代の友人の中ではSNSやインターネットを活用している方ではあります。

 先日、顧問先の皆さんと定例会議の中で「はっ!」とする発言がありました。その顧問先はオリジナルのブランド商品を販売しており、自社サイトとショッピングモールでEコマースを展開しています。SNS活用の成果もあり、少しずつブランドの認知度も高まってきました。そこで、リソースを集中しようとショッピングモールの閉鎖を検討しています。その中で「閉鎖がはたして正しいのか」と議論になりました。

 お客様が自社サイトで購入してくれることの裏に、モール出店の信用もあるのではないか。という話です。ショッピングモールには出店の審査があります。逆に自社サイトには出店の審査はありません。モールの審査を通っていることがブランドの信用になっているという指摘です。たしかにモール出店している事業者さんが「ウチは楽天市場にも出店できている」と言われていたのを聞いたことがあります。

自社サイトでの購入の裏にモール出店の信用がある?

 なるほど、と。ここでの議論は「モール出店していることが信用につながるか否か」ではありません。「モール出店していることを確認している」世代の方もいるということです。特に、40代50代の利用者は「実体性」を気にされる人たちも多くおられます。いかにここをケアしていくか、Eコマース運営のテーマのひとつだと思ったわけです。

 世の中の流れとしてブランドのSNS活用が主流の流れではあります。しかし、人の行動習慣はなかなか変わらないものです。そこには「良い悪い」はなく年をとればなおさらです。自社のペルソナとしている顧客像はどのような購買行動、習慣をもっているのか。しっかり考えることが大切だと改めて気づかされました。

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