大切なことは「ちょっとだけいいもの」をつくることなんですよね。「ちょっとだけいいもの」をつくって、「付加価値=利益」をのせて売れるようにする。いや、売りまくる。
「すごくいいもの」はつくってはいけない
この「ちょっとだけ」というところがポイントです。「すごくいいもの」をつくってはいけない。なぜかというと、「すごくいいもの」はその分価格に転嫁しなくてはいけなくなる。
でも、お客様の財布の中身って短期的にはいっしょですよね。中長期的には財布の中身が多くなったり、少なくなったりしますが短期的にはいっしょ。「すごくいいもの」をつくると、お客様のニーズからずれる可能性がある。「そこまでいいものはいらないっすよ!」というような感じに。
だからこそ「ちょっとだけいいもの」が大切。「ちょっとだけいいもの」であれば、すでにお客様に指示されている市場があるということなので、いまの市場性を活かして新しい「ちょっとだけ」いい価値をお客様に提案することができる。なので「ちょっとだけ」を逸脱してはいけないんですね。
パターンはデザインと機能性のふたつしかない
理想をいえば、「ちょっといいもの」にも関わらず「価格に転嫁されない」ならば理想。つまり、同じ価格で「商品原価」を変える。100円の販売価格は変えずに60円の商品原価を変える。この60円の商品原価を50円にすることができて、なおかつ「ちょっとだけいいもの」をつくることができれば理想です。
じゃあその「ちょっとだけいいもの」とはなんなのか。これって、パターンはデザインと機能性のふたつしかないんですよね。
デザインは見た目とかフォルムとか、肌触りとか質感とか。そこにつながる色合いだったり素材だったりですよね。これがひとつ。機能性は持ち運びやすいとか、音質がいいとか、バリエーションが選べるとか。「農作業専用」とか「子ども専用」みたいな「目的・用途・対象」を絞った「専門性」みたいなものも機能性の中に入りますかね。。
そう考えると、まず「いま売れているものの市場」を探してくる。その中からデザイン・機能性・専門性のいずれの観点からか勝てる商品を検討する。その商品の商品原価を変えずに作成することができるか調べる。お客様のニーズからズレない範囲の販売価格で売る。そうすれば「ちょっとだけいいもの」を実現できる可能性があるということですね。
「ちょっとだけいいもの」は探されているもの
「ちょっとだけいいもの」の前提になる「いま売れているもの」。これは、お客様からの認知もすでにあるし、とくとくと説明をする必要もありません。お客様自身が市場で「探している」ものなので、集客コストも少なく済みます。逆に、「いま売れているもの」のラインを外してしまうと、そもそもお客様の「発想にない」商品になってしまう可能性があります。認知や集客に特別なコストがかかってしまうわけです。
マーケットインとプロダクトアウトという考え方があると思います。「ちょっとだけいいもの」をつくるのは完全なマーケットインの考え方。これを「実践しきる」ことができれば鬼に金棒です。ただ、タピオカ屋さんのように「モノマネ」してくる競合がアッという間に出まくります。展開のスピードを速めるか、見えないところに「優位性」を持つことが重要です。
ただ、経営者や運営者、スタッフのみなさんの「想い」みたいな話になると、プロダクトアウトの考え方になります。そしてプロダクトアウトが間違っているとも言い切れません。あくまで知っておきたい商売のひとつのポイントかなと思います。
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