著者:石田 麻琴

コンサルタントが教える!EC成長の法則。35【no.1923】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1922)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!EC成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「顧客軸のマーケティングの活用」についてご紹介しました。今回は「販促企画の考え方」についてお話します。

お買い物を楽しんでもらうためのふたつの視点

 お客様にお買い物をもっと楽しんでもらうためにはふたつの視点しかありません。ひとつは「商品」です。新しい商品を定期的に発売すること。売れ筋商品の在庫を絶やさないこと。売れ筋商品の縦展開横展開の商品を発売すること。ロングテールの品ぞろえを実現すること。お客様は商品を買いにきているわけですから、まず「商品」を充実することが大切です。

 もうひとつが「販促」です。お客様に商品の活用の仕方や楽しみ方を提案すること。いま買う理由をつくってあげること。お客様の購買意欲を盛り上げてあげること。販促企画をおこなうことでお客様の購買を促進していきます。

 販促が特に有効になるのが美容系や健康食品系など、いわゆる単品通販のECです。単品通販のECの場合はオンラインショップで取り扱う商品数が多くはありません。販促企画をおこなうことで新規のお客様を増やす、既存のお客様の購買を活性化することが重要になります。新商品を投入するには仕入れや生産ロットなど様々なリスクがかかります。お客様には「商品」を提案するのが良いとわかっていても、「販促」でEC運営をつなぐしかありません。

「理由」がなければよくある販促になる

 販促で重要になるのが、「理由をつくる」こと「データで成果を検証する」ことです。ふたつのポイントを押さえることで、よりEC事業の販促がレベルアップしていきます。

 まずは「理由をつくる」です。販促は安易に考えればいくらでも安易に企画できてしまうものです。たとえば、「クリスマスなので10%OFFクーポンをお付けします」「母の日対象商品のみ500円引きです」「夏の大セール。全品20~40%引き&おまけつき」など。こういった販促企画は簡単にできてしまいます。どんなオンラインショップでもできてしまいますし、横並びになりがちです。どこかに「理由」がなければ「また販促やっているのか~」というお客様の冷ややかな声が聞こえてきそうです。

 大切なのは「理由をつくる」ことです。前述した「クリスマスなので10%OFFクーポンをお付けします」ならば、「クリスマスなので」と「10%OFFクーポンをお付けします」の間に「理由」をつくります。これが販促づくりの第一歩です。「クリスマスなので『ECMJサンタがやってきた』10%OFFクーポンをお付けします」などと「理由」を入れるのですね。そしてこの「理由=ECMJサンタがやってきた」の部分は、自社の商材やサービス、店員さんやテンションなど、ECチームの個性を発揮して埋めたいところです。

商品やお客様に合った勝ちパターンを探す

 そして販促をおこなった後、「データで成果を検証する」ことを忘れないでください。前述したような「10%OFFクーポン」「500円引き」「おまけつき」など、お客様の特典に対してどの手段が成果ができるのかは企画をした段階ではわかりません。商品との組み合わせやトレンド・季節性によっても成果が変わってくるはずです。成果検証をおこなって商品やお客様に合った勝ちパターンを探していってください。

 EC事業について「販促」は重要です。ただ、あくまで「商品>販促」であることは理解をしておいた方が良いと思います。強い商品を販売することができたならば、実は販促は必要ありません。

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