(こちらは2021年公開のコラムです)
前回コラム(no.1894)のつづきです。
「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「Eコマース事業の成長」についてご紹介しました。今回は「Eコマース事業の仕事」についてです。
Eコマース事業を展開していく中で、幅広い運営業務を日々こなしていくことになります。たとえば、ネットショップではなく実店舗であれば、お客様は陳列棚から商品を自分で取ってくれ、自分でレジに持ってきてくれます。レジで決済をしたあとは、購入した商品を自分で自宅までもって帰ってくれます。Eコマース事業は、商品を棚に陳列するためには商品登録をおこなったり、商品ページを作成したりしなくてはいけません。お客様が商品を購入してくれたあとは、商品を梱包し発送しなければいけません。やはり業務が幅広いのです。
ただし、Eコマースの運営業務は基本的にほとんどの業務がパソコン上でおこなわれるわけですから、システムやツールを活用したり、仕組み化・テンプレート化をはかったりすることで効率化することが可能です。Eコマースの運営業務は幅広い、しかし仕組み化をすることが可能だとおぼえてもらえると良いと思います。逆に、Eコマース事業において仕組み化・効率化を考えずに、商品を1点1点登録したり、1点1点の受注作業をおこなったりすることは、非常にロスを働いてしまっています。これはリアルビジネス(実店舗など)からネットビジネスに取り組みはじめた会社に多くみられる傾向でもあるので、注意が必要です。
Eコマース事業の仕事は大きく分けて7つに分けられます。ECMJコラムでも何度か紹介していますが、改めて確認していきましょう。
ひとつは商品企画/商材開拓。ネットショップで販売する商品をつくるか(商品企画)、それとも仕入れるか(商材開拓)という仕事です。前回のコラムのとおり、Eコマース事業において最重要の仕事になります。次に、WEB制作。Eコマースサイトの構築と編集、商品ページの画像や動画、テキストなどコンテンツの作成もこちらに含まれます。そして集客。お客様にネットショップへアクセスしてもらうための仕掛けをつくる仕事です。最後に運営。販売スケジュールを元にネットショップの更新作業を進めていく仕事です。主にメルマガなどですね。この4つが「商品を売るため」の仕事になります。
「商品を売ったあと」の仕事が3つあります。ひとつは受注管理/システム管理です。お客様からいただいた注文を管理する仕事。データベースの運用や情報管理のセキュリティもこの仕事に入ります。次に物流。ご存じのとおり注文いただいた商品をお客様に発送する仕事です。そしてカスタマーサポート。お客様からのお問い合わせ電話、メールの対応。返品や交換に対応する仕事もこの中に入ります。Eコマース運営業務としてはこの7つですが、決済に関する入金管理の仕事、Eコマース運営の担当者の採用の仕事なども加えるとさらに幅が広がってきます。
売上ゼロの時点では~という話を以降でも書いていきたいと考えていますが、基本的にはEコマース運営の担当者はほぼひとりからスタートすることになります。商品企画/商材開拓、WEB制作、集客、運営、受注管理/システム管理、物流、カスタマーサポートの各仕事を社内の他部署の方々と連携しながら、ほぼひとりで管理していくことになるのです。というか、部分的に社内のリソースやアルバイトさんなどの力を借りたとしても、Eコマース事業の「担当者」としてはすべての業務を経験しておくと事業自体の成長の可能性が大きく上がっていくといえそうです。