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コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。3【no.1891】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1890)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマです。会社の「事業の柱」を目指してEコマース事業に取り組んでいく際、事業者のみなさんが悩まれる3つのポイント、「組織と人材について」「初期コストの判断基準について」「ネットショップのコンセプトについて」この3つの課題について解説しています。今回は三つ目の課題である「ネットショップのコンセプトについて」です。

 Eコマースのセミナー・講演などでしばしば最初にお話させていただく話があります。Eコマース事業を成長させる上で重要になるのは、戦略や戦術、ましてやSEO対策やHTMLなどのテクニックやスキルではなく、まず第一に「市場性」であると。どんなに素晴らしい画を描いてEコマース事業を始めたとしても、市場がないか市場が寡占化していたとすれば、成長は難しいものになります。現在の市場を鑑みると、どちらかといえば「市場が寡占化している」ケースに飛び込んでしまう危険性が大きいのではないでしょうか。

 三つ目の課題として「ネットショップのコンセプト」を挙げていますが、Eコマースの成長性を「商品力×提案力×集客力」の三方向で表したとき、「ネットショップのコンセプト」にあたるのは「商品力×提案力」のふたつになります。この「商品力(=販売する商品のもつ力)」と「提案力(=商品の魅力をお客様に伝える力)」を比べたときに、絶対的に重要になるのは「商品力」の方です。つまり、いくら提案が上手でも商品そのものがありふれたものであれば自社の売上にはね返ってくる金額は「少なくなりますし、逆に提案があまり上手ではなくても商品自体に差別性や付加価値があればお客様は「勝手に」商品を購入していってくれます。

 そう考えれば先に書いた「市場性」とはまず「商品力」だと考えてもらって構いません。現在のEコマースの市場をみれば、どこかのメーカーさんや問屋さんから商品を仕入れて販売するいわゆる「小売り」のネットショップが厳しいのは明らかです。これまで培ったノウハウや情報を活用して、差別性や付加価値のある自社オリジナルの商品を企画・製作し販売することがEコマースの成長を考える上でほぼ必須になっているといえます。あくまで商品画像の撮り方やSNSの活用などは「商品力」があってこそです。

 ただ、「小売り」のネットショップが厳しいとはいえ、絶対的に勝ち筋がないかというとそうではありません。「小売り」の商品の魅力は、「すでに一定の市場規模が存在していること」です。つまり「売れる商品」であることは間違いありません。普通に商品を仕入れ、普通にインターネットで販売するだけでは「厳しい戦い」になってしまうのですが、たとえば仮に「仕入れ先との特別な関係により、他社に比べて仕入れに優位性がある」というような条件がつくとすれば状況は一変します。Eコマース事業に本格的に参戦する上で、自社が「今までに積み重ねてきたもの」を再確認することが大切ですね。

 「商品力×提案力」を最大化させるために大切になるのが、「商品の対象者」の概念です。いわゆる「ペルソナ」という言葉で表現されることが多いですが、「この商品はどのようなお客様のために存在し、そのお客様にどう伝えると商品の魅力を充分に感じてもらえるのか」これを考えることが大切です。この「商品の対象者」を決めることが「提案力」の内容を決めることにも繋がりますし、Eコマース事業に継続的に新商品を投下していくときの「商品力」にも関わってきます。「商品力」「提案力」「対象者」含め、Eコマース事業を進捗させていくにあたって、何度も何度も考え続ける永遠のテーマです。

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