著者:石田 麻琴

リサイクルショップさんにお願いしてみた。気になる査定は?終【no.1886】

 前回のつづきです。

 某リサイクルショップの買い取り依頼で自宅にきたのは若い金髪とオジサン風の男性ふたり。機械的な説明と作業で査定が進んでいく。バシバシ撮影する写真は本部の査定担当者に送っているよう。いったん、外に出たふたりが査定金額完了のために戻ってきた。はたして買い取り金額は!?

 ピンポーン。「査定金額が出ましたので戻ってまいりました」。若い金髪とオジサン風の男性が自宅に戻ってきた。「では早速査定金額の方をお伝えさせていただきます」。期待をしていないながらも、その金額が気になる。

「まずはエアコンですが、こちらは事前にお伝えしたとおり、無料の引き取りになります」。むむう、わかっていたとはいえ、引き取ってもらうため呼んだのだし仕方ないか。「こちらの空気清浄機ですが、1000円になります」。ほーそうくるか、まあそんなんだろうと思っていたが。「こちらの扇風機ですが、無料でお引き取りということになります」。まあ、この扇風機については捨てる予定だったので持っていってもらった方がうれしいのよ。「こちらのフェリージのバッグですが、状態があまりよくないのでお引き取りはできません」。うぉっと残念、でも1000円とか言われるよりはいいかなぁ。「こちらのNIKEのドライバーですが、2000円になります」。なるほどー、厳しいね。「そしてこちらの子ども用のおもちゃ2点ですが、ともに500円です。合計6点で合計4000円になります」

 この査定にどう振る舞うのが正解だろうか、と初めての方なら思うのかもしれないが、前回のコラムで書いたとおり私には苦い経験がある。買い取り査定というのは「あー、もういいや、面倒だから全部もってって!」的なリアクションを求めているようにも思えるのだ。私はすかさず「ありがとうございます。わかりました。エアコンと空気清浄機と扇風機の3点だけお願いします」と伝えた。買い取り金額はたった1000円になってしまったのだが・・

 というのも、実はNIKEのドライバー、子ども用のおもちゃ(ブランドもの)2点については事前にメルカリでの落札金額をリサーチしていたのだ。メルカリの過去の履歴データからすると、NIKEのドライバーは5000円前後、子ども用のおもちゃは一方が7000円、もう一方が5000円ほどで落札された形跡がある。あくまでCtoCの世界のことだが、中古の市場価格としてはそんなものなのだ。多少手間はかかるがメルカリに出品した方が「はるかに儲かる」のである。まあ、そういうことをしない人のためのリサイクルショップ買い取りなんだろうけどね。

 エアコンと空気清浄機と扇風機・・取り外しや粗大ごみとして出すにはお金がかかってしまうものを引き取ってくれ(もちろんリサイクルショップでは販売するのだろうが)個人的には満足のいく買い取り依頼になった。とはいえ、このリユースビジネス(中古品販売のことですね)というのはすごくて、このような形で買い取りが進んでいくので、限りなく原価率が低くなる。場合によっては原価ゼロ円になる。中古品として販売するときの金額設定は新品以下なら自由設定で、場合によってはプレミアものを買い取りできる可能性もあり、買い取り依頼主がそれを認識していない場合には驚愕の利益率となる。

 以前、「家の中のもの全部買い取り」の会社さんとお話したことがあるのだが、依頼主にとっては「全部処分すること」が優先順位一番になっていることが多いため、買い取り金額をおさえられるケースも多いそう。場合によっては掘り出し物があることもあるんだってさ。ただリスクとしては「在庫が残りまくる」「場合によっては自分たちで処分」の可能性があって、それが経営を圧迫するとか。今回の経験、リサイクルショップのビジネスの勉強になりました。