著者:石田 麻琴

「何をやるか」と同時に「いつやるか」を決める【no.1870】

 「何をやるか」と同時に「いつやるか」を決めることが大切だということ。今回のECMJコラムのテーマです。

 クライアント様とECMJコンサルタントとの定例会議を重ねていくと、スポットでおこなう施策と定期的におこなわれる施策が出てきます。スポットでおこなう施策については、「次回のミーティングまでにこれを準備する」というように「次回のミーティングまでに」という期限が明確につくのですが、定期的におこなう施策については、具体的な「いつやるか」を決めておかないと実践される確率が著しく下がります。「何をやるか」と同時に「いつやるか」を決めることが大事なのです。

 定期的におこなわれる施策は、主に3つのパターンに分かれます。「日次」でおこなわれるもの、「週次」でおこなわれるもの、「月次」でおこなわれるもの、この3つです。

 Eコマース事業であれば「日次」でおこなう業務として「データ確認」などが挙げられます。バックオフィスの仕事には「受注処理」や「発送処理」などの日次でおこなわれる業務がありますが、これらは日次の仕事として「漏れる」ことはまずないので「いつやるか」を定義する業務には入りません。「データ確認」の業務は、「やらなくても短期的な問題にならない」仕事なので定義が必要になります。

 「週次」でおこなう業務はたとえば「競合他社のチェック」でしょうか。こちらも「やらなくても短期的な問題にはならない」仕事ですが、はっきりと競合他社をチェックするタイミングを決めておかないと、ずるずるとやらないまま時間だけが経ってしまう状態になりがちです。やはり「何をするか」だけではなく「いつやるか」もルール化するのが望ましいのです。

 Eコマース事業の「月次」でおこなう仕事としてあげられるのは「パソコンのデータ整理」などでしょうか。ECサイトの運営をしている会社さんはご存じのとおり、Eコマースの運営をする際には大量の画像ファイル、エクセルファイル、テキストファイルが生まれます。日々整理整頓をするのが理想ではありますが、気づいたらフォルダの中がファイルでごっちゃごちゃということもあるはずです。月に1回、このタイミングで整理整頓をすると決めておけば、ファイルがゴミ屋敷のようになることはありません。

 日次でおこなう「データ確認」は、「全体朝礼とチームミーティングの後に10分間時間をとって、データ確認をおこなう」などという「いつやるか」のルールが必要になります。週次でおこなう「競合他社のチェック」については、「毎週金曜日の夕方15時~18時の間で30分間を競合他社のチェックの時間にする、とか。月次でおこなう「パソコンのデータ整理」は、「月初の1日の午前中にパソコンのデータ整理をし、フォルダを整理整頓する」などルールを決めておきます。

 「何をやるか」それと同時に「いつやるか」を決定します。ポイントは「何をやるか」を決めると“同時に”「いつやるか」を決めることです。つまり、「やること」をすぐにスケジュール帳に書き込むことになります。逆に、「いつやるか」をすぐに決められない場合、永遠にやらない可能性があるものと思わなくてはいけません。もちろん予防策として「いつやるかを決める日を決めておく」というのもありです。すぐに動けないことについては、「いつやるかを決める日」だけでも決めておきましょう。

 そして、今回のテーマである「何をやるか」と同時に「いつやるか」を決める、は行動するのが「自分」であることを前提にしています。もし自社のチームメンバーで「何をやるか」を決めた場合、「いつやるか」の前に「誰がやるか」を決めなければいけません。「何をやるか」「誰がやるか」「いつやるか」が決まらなければ、それは会議ではないのです。