やろうやろうと思っていてもなかなか進まない仕事があります。気づくともう何か月もほとんど進捗がない、なんてこともあるはずです。
こういったとき、考えるのはふたつです。ひとつはこのなかなか進まない仕事をどうやって進めようか、ということ。もうひとつは、いっそのことやめてしまった方がいいのではないか、ということ。普段仕事をしている中で、どうしても前者を選び、なんとかしようとしがちですが、後者のいっそのことやめるという選択肢を選ぶことも間違いではありません。
なぜならば、何か月も進捗がないままであるのに「なんとかなって」しまっているからです。仕事が進んでいないにもかかわらず、「進捗してもしなくてもどちらでもいい」という状態ならば、それはある意味「必要がない」ということでしょう。「やらなきゃやらなきゃ」と思い、悩んでいる時間は息苦しいものですし、いつしか頭の中を不安で占拠していきます。いっそのことやめてしまうのも手です。
その場合、大切なのは「この仕事が進んでいないにも関わらず、なんとかなってしまっている理由は何か」をきちんと考えてから「いっそのことやめる」の決断をすることでしょう。たとえば、自社のサービスのそもそもの差別性や他に成果に効いていると思われる仕事があったならば、その「強み」の部分を伸ばしていく方がはるかに良さそうです。それは「進まない仕事」ではなく「進められる仕事」なわけですから、さらに力を入れることは自分のストレスにもなりません。
「なんとかなっている」明確な理由がわかれば良いのですが、なぜなんとかなっているのかが明確にわからない場合があります。また、極端にいえば「他の仕事も同じように滞っているのに」なんとかなってしまっている場合は、単に市場環境によるラッキーの可能性もあるわけですから、「進まない仕事」をいっそのことやめてしまうという判断をするのは危険です。こういった場合は「何とかして進める方法」か、同じ目的を別の手段で達成する方法を考えましょう。
人は根本的に「やりたくないことはやりたくない」ですし「合わないことは合わない」もので、それが食わず嫌いなのかやらず嫌いなのかその線引きが難しいところですが、それなりの大人になると「やりたくないことを無理にやる」のは大きなストレスになる可能性があります。「何とかして進める方法」を考えるよりも、同じ目的を別の手段で達成する方法を考えた方がより現実性は高いかもしれません。
それでも同じ目的を別の手段で達成するのが難しい場合もあります。そこではじめて「何とかして進める方法」が出てくるわけですが、根本的な嫌悪感があればまだしも、単に自分が怠けているだけだったり、仕事を進め方のイメージができてなかったり、踏ん切りがつかなかったりというところが問題になっているのならば、ある程度のテクニックでカバーできる可能性があります。
以前、ECMJコラムでも紹介した「ECMJ式・時間管理術」がそのひとつの方法です。ECMJコラムの中から「時間管理術」を検索してもらえればと思います。なかなか進まない仕事を上手に進めていくためには、仕事を工程分けしスケジューリング、ひとつひとつの仕事を着実に進めることによって到達点のイメージが見えやすくなり、なかなか進まない仕事のスピードを加速していくことができます。そして「時間管理術」で大切になるのは「決めたことは必ずやる」という姿勢です。この姿勢を貫くことは簡単ではないですが、タスクの内容と時間配分をライトなものにすることによって「決めたことは必ずやる」を実践することができます。
大切なのは「決めたことを80%はやる」ことではなくて「決めたことを100%」やるです。そのためのポイントは「決めたこと」のハードルを下げることです。ハードルをいかに上手に下げれるかが、「決めたことを必ずやる」の習慣化の最大のポイントです。