コロナ禍以降、マーケティングの市場においては環境がガラリと変化したことは間違いなさそうです。緊急事態宣言がいったん明けた6月そして1か月後の7月の頭にかけて、一瞬コロナ以前のマーケティング環境に戻りそうな時期がありましたが、7月中旬から再度マーケティングの市場が変化を見せています。
今回のECMJコラムは3月下旬から8月頭までのマーケティング市場環境の変化について。
3月中旬まで一過性のウィルスに思われていた新型コロナウィルスが「本当に危険なのではないか?」と思われ出したのは3月下旬の有名芸能人が亡くなったことが大きく関係しているのではないでしょうか。重篤患者の方や海外の動きがすさまじく、一時はまさかと思っていた緊急事態宣言が発表されたのが4月の上旬です。
マーケティング市場としては、BtoBビジネスにおける対面での営業行為の一切ができなくなりました。これは3月上旬から徐々にあらわれ始めます。また同時期から催事や展示会などのイベントの中止、出展のキャンセルが相次ぎます。BtoBビジネスの営業活動ひいてマーケティング活動は4月上旬の時点で一旦停止となりました。
BtoBビジネスにおいてニーズが叫ばれ始めたのが、インサイドセールス。フィールドセールスが難しくなり、インサイドセールスに舵を切る企業が多いかと思いきや、実は多くの会社での課題は「いかにリモートワークで業務を回すか」というところ。オンライン会議ツールのZoomやコンテンツ管理ツールのBoxなど既存業務を回すためのツールにニーズが集まったのが4月中旬そして下旬。4月から5月にかけてはほぼ社内整備の時間になりました。
DX(デジタルトランスフォーメーション)についてのオンラインセミナーが活況になったのは4月下旬から5月にかけて。デジタルマーケティングやインターネットマーケティングのソリューション企業がこぞってオンラインセミナーを開催しましたが、企業側のニーズとすれば先に書いたとおり「まず社内業務を回す」ことが最優先であり、マーケティング面のオンラインセミナーは若干勇み足だった感触がありあます。6月になるとオンラインセミナーの目新しさも弱まり、露骨に参加者が集まらないセミナーも出だしました。
Eコマースの市場環境においては緊急事態宣言以降、4月下旬からアクセス・売上ともに成長。商材による部分も多々ありますが、多くの会社が昨対の数十%をたたき出しています。ただこれも5月中旬そして下旬になると落ち着きをみせます。ユーザーであるお客様が外に出る機会が増えるごとにEコマースも通常運転に切り替わっていきましたが、7月中旬から全国の感染者数が再び増えるにしたがってEコマースの市場は若干上がってきました。この状態が8月以降もしばらく続きそうです。
5月下旬に緊急事態宣言が解除され、6月から通常運行が始まった会社と1か月遅れの7月から通常運行を始める会社のふたつに分かれます。BtoBビジネスの営業活動・マーケティング活動においては、7月頭に状況が整ってからすぐの感染者増となり、市場環境はふたたび振り出しに戻ってしまった感があります。
6月中旬から下旬にかけてBtoBビジネスのマーケティングも一瞬コロナ以前の状態に戻りかけた部分もあったのですが、8月以降もダラダラと今のような状態が続きそうな市場環境ですから、中期的な目線ではマーケティングのデジタル化はあらゆる企業での課題になるのではないかと感じます。
市場環境が毎日のようにゆれ動く4か月間ではありましたが、ここからは「この市場環境の中でいかに戦っていくか」というフェイズになりそうです。新しいマーケティング手法を駆使して、お盆明けからも頑張っていきましょう。