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「しつこさ」であと一歩を踏み込めば、違いが出る【no.1839】

 先日の「パン屋さんの呼び込み」のコラムを書いた後に、以前、堀江貴文氏(以下、ホリエモン)が言っていたことを思い出しました。

 NewsPicksさんの動画でホリエモンとオンデーズの田中社長が「起業家が成功する条件」というテーマで対談をしていて、そこでホリエモンは「しつこさ」だと言うんですね。「しつこさ」以外は何もいらないというくらい、(おそらく起業に限らず)仕事をする上で「しつこさ」が重要な条件であると。

 ホリエモンが何かイベントを企画したとする。「ホリエモンが企画したのだから」とSNSで拡散され自然発生的に人が集まってくるのだと思われがちなのだけれど、そうではないと。自分(ホリエモン)が企画したからといって人はきてくれない。とにかく毎日毎日「予定空けてくれてる?絶対にきてね!」を個別に「しつこく」言い続けるのだというんですね。

 同じようなことをオンデーズの田中社長も言っていて、毎日メガネ専門店の実店舗全店に電話をする。「今日の目標数字はいくつ?」と。これを毎朝毎朝「しつこく」個別の店舗に電話し続けることによって、ようやく数字を意識してくれるようになる。現実問題、ビジョンなんかでは従業員は売上のために動いてくれない、って言うんですね。

 先日書いた「パン屋さん」も同じようなこと何だろうなと。開店当初はビッグヒットであれスマッシュヒットであれ、コンテンツを踏み外してなければお客様は注目してくれる。大切なのはその後で、自分たちのコンテンツ(商品やサービス)をいかに「しつこく」お客様に伝え続けていくか。それが「呼び込み」という行動に繋がっているのではないかと思います。

 「今日の売上は今日しか取れない」この言葉は、私の師匠でもある前職の社長から教えてもらった言葉で、「今日買ってくれなかったお客様が明日2倍買ってくれることはない」んですよね。当たり前ですが。明日は明日、またお客様も新しい情報に触れるわけですから、今日のお客様は明日のお客様にはなり得ません。

 ましてや「パン屋さん」は飲食なのですから、明日お客様が2倍の量のパンを食べてくれるなんてことはありえませんし、そういった意味でも「今日の売上は今日しか取れない」わけで、ホリエモンとオンデーズ田中社長が言っている「まずは目の前のやるべきことをすべき」も「今日の売上は今日しか取れない」と本質的には同じ意味のような気がします。

 振り返って自社(ECMJ)のコンサルティングを考えたとき。実はECMJも「しつこさ」を顧問先のメンバーに提供しているように感じます。ECMJのコンサルティングは基本的に月2回、マーケティング会議というカタチで開催されます。そのマーケティング会議の中で「課題は何か、課題の解決策は何か、解決策をどう実行するか、データから見える問題は何か」について話し合っていくのです。

 たとえ課題の解決に対する行動ができていなかったとしても2週間経てば次のECMJとのマーケティング会議はやってきます。そこで「行動できなかった理由は何か、ボトルネックはどこにあるのか、どこまでならば進捗できそうか」について話し合うことになります。重要度の高い課題から絶対に逃げない「しつこい」コンサルティングです。

 ただこの「しつこさ」こそがポイントで、一回二回話し合っただけで本質的な課題が解決することはありません。根が深いからこそ残り続けている課題なわけですし、本気で課題を解決させようとすればまた別のところに新しい課題が現れます。課題の解決は一朝一夕にいくものではないのです。しかし、本質的な課題に向き合わないと市場の変化に対応できないのも事実。

 お客様に対しても、自社の成長に対しても、もう一歩の「しつこさ」を考えてみても良いのかもしれません。

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