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仕事を「ひとつ繋がり」から「工程分け」する意味【no.1831】

 仕事を着実に、リズムよく進めていくにあたって「仕事の工程分け」はひとつのポイントなのではないかと思います。今回の企業のリモートワーク化の件についても、「工程分け」が大きなポイントになっていました。

 今日のECMJコラムは「仕事の工程分け」についてです。

*リモートでできる仕事とできない仕事

 この1か月~2か月の間に多くの企業がリモートワーク化しましたが、ポイントになったのは「仕事の工程分け」でした。現状の業務を工程分けして、どこまでがリモートでできる仕事でどこまでがリモートでできない仕事なのか、これを判断するために逆に忙しくなってしまった方も多いのではないでしょうか。

 リモートでできる仕事は社内の共有サーバーに入らなくてもできる仕事や進めるにあたって他人が介在しない仕事などです。リモートでできない仕事はセキュリティ上自宅に持ち運びできないデータを使う仕事や上司の承認(捺印)が必要な仕事などです。多くの仕事において通常業務が「ひとつ繋がり」になっており、そのままではリモートワークにできない状態でした。

 もちろん今までリモートワーク化することを想定して仕事を進めてきたわけではないでしょうから、新しい業務が増えるたび「ひとつ繋がり」がどんどん増えていっていたわけです。意外と「仕事の工程分け」はされていないものです。

*「仕事の工程分け」をすることのメリット

 ECMJのコンサルティングでは「仕事の工程分け」を課題解決の重要なポイントとしてコンサルタントが随時伝えていきます。「その仕事は工程分けをしましょう」「まずは工程の一覧表を作成してください」「次回までに工程の3つ目までを進めていきましょう」などというようにです。これはリモートワーク化を想定しているわけではありません。

 ひとつに「仕事の工程分け」をすることで課題解決の進みがスムーズになるからです。課題解決が進まない多くの理由が「到達するアウトプットのイメージができない」「どこから取り組んで良いのかわからない」「アウトプットはイメージできるが時間がない」などです。ここでの問題は「課題解決への着手からゴールまでを『ひとつ繋がり』で考えてしまっている」ことにあります。

 「仕事の工程分け」をせず「ひとつ繋がり」で考えていると、アウトプットのイメージができるまで課題解決への1歩目を踏み出すことはありません。アウトプットのイメージができないまま置き去りになります。同様にどこから取り組んでいいかわからないのも、取り組むための時間がないのも「ひとつ繋がり」になっているからです。

*まず「わかる」部分までを進めること

 大切なのは「仕事を工程分け」をして「ひとつ繋がり」の仕事を複数のステップに分解することです。アウトプットのイメージがわかなければ、途中からの工程が仮のものになってしまうか、もしくは途中からの工程がないステップになってしまいます。しかしそれでも問題ありません。まず自分がイメージできている工程分けした最初のいくつかのステップを着実に進んでいくことです。

 多くの場合、「自分がイメージできるところまで」進むことによって課題解決のゴールのイメージがクリアになっていきます。ちょうど山を登るごとに頂上が見えるようになってくるのと同じです。ゴールのイメージが見えたら、そこに向かうまた新しい「工程分け」をつくれば良いのです。見えなければ回りの上級者を頼ってみるのも良いでしょう。ただ「工程分け」をせず、1歩目も進んでいないのに上級者に頼るのはいただけません。

 仕事はリズミカルに進めるものです。またできるだけ感情を少なく、頭を使わずに進めるものです。「仕事を工程分け」することによって、力の入れどころを自分たちでコントロールするのです。仕事に自分たちがコントロールされてはいけません。

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