著者:石田 麻琴

「決めておく」とストレスが減り、動きやすくなる【no.1826】

 なんとなくの方針やなんとなくのルールを「決めておく」と普段の仕事がより動きやすくなるかもしれません。逆に何も決まっていないと考えるのが大変なんですよね。

*顧問先のSNS運用ネタをどうするか

 先日のことです。ECMJの顧問先様との打ち合わせでメンバーのひとりが意見を出してくれました。「定例ミーティングの中で少しだけ時間をつくってもらって、SNSの運用ネタの『方針』だけでもみんなで決められるとうれしいのですが」。聞くと日々のSNSを運用する中で、「何を投稿するか」に詰まっているとのこと。それを毎回考えるのがストレスになっているというのです。

 もちろんリクエストがあれば定例ミーティングの中に「SNSの運用ネタを『方針』だけでも考える」というのを入れるのは問題ありません。リクエストをもらった次の定例ミーティングで早速、「SNSの運用ネタの『方針』を考える」時間を10分設けました。

 さらに次回の定例ミーティングまでのSNS運用の方針として決まったのが「雰囲気重視の画像でも良いが、必ずどこかに自社の商品を入れること」「近所をお散歩する際におすすめのアイテムのランキング」「新商品の予約開始連絡」この3つでした。

 具体的なものもありますが、次回の定例ミーティングまでに十数回SNSを更新することになるとすれば、少し決定事項がアバウトな気もしなくもありません。「こんな感じでイケそう?」担当の方に聞くと、「大丈夫です。『方針』さえ決まればあとはなんとか作れます」と言います。ちょっとした決めごとで日々のストレスを大きく軽減できたようでした。

*コラムを書くときに困ること

 確かに多少アバウトな「方針」を決めておくだけで、仕事の流れがスムーズになることはよくあります。私の場合、このECMJコラムがそうでした。ECMJコラムの執筆開始からno.1300くらいまでは土日祝日関係なく365日コラムを書いていましたので、ざっくりな「方針」に救われた記憶があります。(いまは更新回数が少なくなったので、あまり困ることはなくなりました)

 ECMJコラムの場合、1コラムに対して約1,500文字の文章量になっています。毎回1,500文字を書くのは大変だなぁと思われるかもしれませんが、文字数を書くのは意外と大変ではないのです。実は大変なのはコラムを書き始めるまでであって、いざノートパソコンのキーボードに手をのせたときに、「あーでもない。こーでもないと」数十分固まってしまうこともありました。

 そこでただひとつ。「今日はデータ分析のことについて書こう」とか「最近の顧問先様との打ち合わせでの気づきを書こう」とか「堅苦しくなく、しゃべり言葉での文章を書こう」とか、そういった「方針」を事前に決めておくだけで気持ちが楽になり、仕事がスムーズに進むようになるのです。事前に「狭めておく」ことが迷いを減らしてくれるからでしょうか。

*いちいち考えるのを辞める

 「いちいち考えるのを辞める」仕事をスムーズに進めるための大きなポイントかもしれません。

 何かが起こったときの対策や対処、具体策や施策をいちいち考えていては時間が足りなくなります。「これはこうする」を事前に決めておく、もしくは徐々にノウハウとして蓄積していけば「迷う」時間はなくなるはずです。これは「何をやらないかを決める」「捨てるものを決める」と同じことかもしれません。「やらないことを『はっきりと』決める」ことでアイデアや意見の堂々巡りを防ぐことができます。

 以前のECMJコラムでも書いたかもしれません。仕事は「感情」でやるものではありません。「感情」で仕事をすると疲れてしまいます。日々「淡々と」進めていけばいいのです。大切なのは「淡々」を実現するための「方針」や「ルール」ということになります。