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LTVとCPA、算出のポイントと注意点、通常業務での活用法。後【no.1811】

 LTVとCPA、算出のポイントと注意点、通常業務での活用法。(前編はこちらから

 前編では「言葉の意味」「データ算出方法のポイント」を解説しました。LTVのデータ算出方法についてもう少し掘り下げるところから後編を始めていきます。

*LTVのデータ算出条件を定義する

 「お客様の購買行動がいつ終わったのか」がわからないと算出できないのがLTVです。「一年間、利用がなかったお客様は一旦購買行動がなかったとみなす」。このような前提条件を加えることでLTVの算出がしやすくなります。もうひとつ。「購買行動のスタートが近いお客様を入れるとLTVが計算できない」です。

でしから、LTVのデータ算出イメージとしては「2016年の1月から12月の期間内に初回購入をしたお客様のその後の購買行動を計算し、LTVを算出する」というようなカタチになります。購買行動期間をある程度もった方がLTVは算出しやすくなります。

 逆に一年前くらいからデータを取り始めた会社さんだとLTVの計算が難しくなります。やはりデジタルマーケティングは早めに取り組んでいくのがベターですね。計算式は「対象期間の新規購入者の以後の購買金額合計÷対象期間の新規購入者」です。

*LTVとCPAの密接な関係性

 ここまでLTVとCPAの言葉の意味とデータ算出方法について紹介してきました。このふたつを同時に紹介するのには理由があります。LTVとCPAは密接な関係にあるのです。LTVとCPAが計算できるようになったら、この関係に当てはめてみてください。

❶:LTV×利益率>CPA
❷:LTV×利益率=CPA
❸:LTV×利益率<CPA

 さて皆さんの会社のLTVとCPAは上記3パターンのどれに当てはまったでしょうか。もっとも優良なのは❶の「LTV×利益率>CPA」です。これは「1社(1人)のお客様からいただける利益」が「1社(1人)のお客様を獲得するための費用」を上回っている状態です。こうなっていればいわゆる「広告がペイしている」状態だということができます。

 逆に「LTV×利益率<CPA」なら「広告がペイしていない」状態だと言えてしまいます。ただ、認知を高めるための「投資フェイズ」だとも言えます。また「集客戦略を改善するスタートライン」だとも言えます。多くの場合、マーケティングを始めた段階では「LTV×利益率<CPA」になります。

 「LTVを上げる」ための改善をし、「CPAを下げる」ための改善をすれば、「LTV×利益率<CPA」は「LTV×利益率>CPA」の状態に近づきます。もちろん商品やサービスを見直して自社の「利益率」の改善を図るのもアリです。

*最後に、LTVとCPAを言葉では覚えないで

 前回、今回のECMJコラムでは2回に分けてLTVとCPAについて解説をしてきました。ここまで言っておいて何なんですが、マーケティング用語って「LTV」とか「CPA」とか「SEO」とか「SEM」とか頭文字3文字の専門用語が多いじゃないですか。あれってちょっとウザいと思うんですね。どこか「あなたは知っていますか?」みたいな商売に繋げようとしている感がある。

 「LTV」と「CPA」って言葉を覚えるのではなく、意味を認識してもらえればと思います。今後5年10年すると「LTV」「CPA」ともに名前は変わるかもしれません。ただ、マーケティングの原理原則は変わりませんから。

【合わせて読みたい】
LTV(顧客生涯価値)> CPA(顧客獲得単価)でなければならない(コーラルさん)

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