定番ロングヒットを作るために考えること。
「定番ロングヒット商品」をつくること。これが売上の成長だけでなく、ブランドの認知や集客にもつながります。これはEコマースに限らず、あらゆる商売の基本です。
過去のECMJコラムで何度か書きました。「人はブランドを知り、商品(サービス)を知る」のではなくて、「人は商品(サービス)を知り、ブランドを知る」。たとえばユニクロやトヨタ自動車のようなブランドとして確立している企業ならまだしもです。こと中小企業ならば「人は商品(サービス)を知り、ブランドを知る」になります。
振り返れば、最初は単なるお安めアパレルと思われていたユニクロ。実は「フリース」や「ヒートテック」という定番ロングヒット商品でブランド認知を拡げました。また「SMAP」や「嵐」というコンテンツからジャニーズを知った人が多いでしょう。
*ショッピングモールの「原理」について理解する
ECを楽天市場やYahoo!ショッピングなどのショッピングモールで展開するとします。このとき特に「定番ロングヒット商品」の存在が重要になります。まず「ヒット商品をつくるために何を考えるか」という実践策の前提です。最初にショッピングモールの「原理」について理解を深めていきましょう。
オンラインショップを開店しただけではアクセスはなく、商品も売れません。たとえば実店舗は存在そのものが認知や集客の役割をはたしてくれます。しかし、いつどこでどんなオンラインショップが開店したかは誰も知りません。つまり「知ってもらう仕事」を展開しなければいけないのがECの難しさです。
モールでも自社サイトでもショップにアクセスするお客様は「ふたとおり」います。オンラインショップを元々知っていてアクセスするお客様。そして、オンラインショップの存在を知らずに(流れの中で)アクセスするお客様です。もちろんこの比重についてはショッピングモールと自社サイトで異なります。
ポイントは、後者のお客様そしてアクセスをいかに増やすかです。ここに「定番ロングヒット商品」の存在が関わります。
*お客様はどこからやってくるのか
たとえばショッピングモールのお客様はどんな経路でオンラインショップにくるのか。
元々知っているお客様とネット広告を除くと、その多くが「検索流入」です。検索流入とはご存じのとおりです。検索バーからキーワード検索をおこない、検索結果の一覧を経由したアクセスです。
「ヒット商品」の存在はこの検索流入を太くします。いわゆる「導線」というものです。ヒット商品が売れればショッピングモールでの検索順位(表示順)が上がります。それとともによりお客様に商品が見られるようになります。よりお客様に見られることで、より商品が売れるようになる。そうすると、さらに検索順位が上がり、見られ、売れる。そんなプラスのサイクルをつくることができるのです。
そして実はショッピングモールで逆のことが同時に起こっています。売れなくなった商品は検索順位が下がり、よりお客様に見られないようになります。よりお客様に見られなくなると、より売れなくなります。さらに検索順位が下がる、見られない、売れない・・というマイナスのサイクルです。
ショッピングモールECにおいて、「ヒット商品」は売上とアクセスに大きく影響します。
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定番ロングヒットを作るために考えること。②【no.1801】
「そこに楽しさはあるのか?」チロルチョコ ロングヒットの哲学(日経クロストレンドさん)