著者:石田 麻琴

原則を考え、そして手段につなげていく【no.1792】

 インターネットマーケティング、デジタルマーケティングを展開していくときに、「いかにして売上を伸ばすか」が大きなテーマになると思います。「いかにして売上を伸ばすか」を考えるとき、最初から「手段」を考えるのではなく、原則を考え、そして手段につなげていくのが大切です。

*売上を伸ばす方法はふたつしかない

 詰まるところ、売上を伸ばす方法はふたつしかありません。

 ひとつは、お客様が増えること。いまのサービスを利用してくれる新しいお客様が増えれば必然的に売上は伸びていきます。もうひとつは、お客様がもっとサービスを利用してくれること。いまサービスを利用してくれているお客様がさらにサービスを利用してくれれば必然的に売上は伸びていきます。詰まるところ、売上を伸ばす方法はこのふたつしかないですよね。

 前者の「新しいお客様を増やす」ためには会社やサービスの認知拡大、広告やSNSを含むメディア、もしくは検索対策のような形での集客戦略を展開していくことになります。後者の「もっとサービスを利用してもらう」ためには新規サービスの開発やアカウント増のためのアプローチ、販促企画/イベントを活用しての掘り起こしなどを展開していくことになります。

 「売上を伸ばす」というテーマだと、どうしても「手段」のアイデアから入っていきそうになるのですが、原則としての「新しいお客様を増やす」「もっとサービスを利用してもらう」のふたつの軸から入っていくと、議論がまとまりやすくなります。

*「新しいお客様を増やす」ための行動

 「新しいお客様を増やす」ための行動は前述したとおり、3つのパターンに大別されます。こちらはECMJコラムでもたびたび登場しているので簡単に紹介をします。(もう何度も読んだよ!という方もいらっしゃるかもしれません)

 ひとつは広告です。インターネットマーケティングの場合だとインターネット広告になりますし、デジタルマーケティングの場合だとリアルのチラシやDM、カタログなどの行動のひとつに入ります。インターネット、デジタル関わらず、広告とは「お金を使って」の認知拡大、集客戦略です。

 次に、メディア。こちらは「広報活動」を起点にしたマスメディア、インターネットメディアへの掲載と、TwitterやInstagram、Facebookなどのソーシャルメディア(SNS)を活用しての認知拡大、集客戦略です。

 最後に検索対策。前述したふたつはリアル、ネットともに通じる行動だったのに対して、検索対策はインターネットならではの行動です。現在の主流のひとつがコンテンツマーケティング、オウンドメディアの活用ですが、社内でおこなう負担を考えると良し悪しというところでしょう。

*「もっとサービスを利用してもらう」ための行動

 「もっとサービスを利用してもらう」ための行動としてメインになるのは新サービスの開発です。BtoBの会社さんなら新サービスの開発となり、BtoCの会社さんなら新商品の開発になります。いつになっても新しいサービス・商品が逆転ホームランを生み出します。認知拡大でも集客戦略でも販促企画でもありません。

 もうひとつが販促企画/イベント。新サービスや新商品の開発よりインパクトは薄いですが、新サービスと新商品の開発はおいそれとできるものではありません。販促企画/イベントの良さはお金をかけなくても「頭」で勝負をすることができること。特にサービスや商品の種類が限られる事業者さんはここを強化するのが大切です。

 BtoBのサービスだと既存のお客様に「アカウント数を増やしてもらう」ことが売上の伸びにつながります。そのためには販促企画/イベントよりも、サービスをより全社的に活用してもらうためのフォローアップが必要です。トレンドになりつつある「カスタマーサクセス」です。