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「ロイヤルカスタマーを定義」ってどう考える?【no.1791】

 ちょうどふたつの場所で「ロイヤルカスタマーとは」という議論が出てきています。

 ひとつは大学授業のプログラム作成について。もうひとつはECMJの顧問先の今後のマーケティングについて。ロイヤルカスタマーの定義って何ですかね、というのが今回の話。

*そもそもなぜロイヤルカスタマーを定義するのか

 まず、そもそもなぜ「ロイヤルカスタマー」を定義するのかといえば、ロイヤルカスタマーを定義することでマーケティング施策のセグメントや成果管理がしやすくなるからだと思うんですね。

 ロイヤルカスタマーの定義づけをおこなえば、ロイヤルカスタマーの皆さんに向けてどんなフォローをしていけばいいかという話ができるようになりますし、ロイヤルカスタマーの定義づけができれば今自社のサービスに何名のロイヤルカスタマーがいらっしゃるかを数字で測ることができるようになる。もちろんロイヤルカスタマーから外れてしまった方がどれくらいの人数いたかも数字で測れますし、SFA/CRMのシステムで具体的にどの方がロイヤルカスタマーから外れてしまったのかもわかる、わけです。

 それと同時に、現在ロイヤルカスタマーではない層からどうやってロイヤルカスタマーの層に引きあがってもらうか、という議論もできるようになりますし、一歩踏み込めばロイヤルカスタマーに引きあがってくれるお客様にはどんな傾向があるか、その傾向の方をロイヤルカスタマー以外の層から探そう、みたいな話にもなったりします。

 まあこのマーケティング手法が現在「本当に」正しいかはわかりませんが、ひとつの理屈としてこういった考え方があるわけですね。

*一般的なロイヤルカスタマーの定義

 一般的なロイヤルカスタマーの定義として、「取引額(購入金額)」や「取引回数(購入回数)」をあげることが多いと思います。たとえば過去1年間でどれくらいの取引額があったか。BtoCであればどれくらいの購入金額があったか。たとえば過去1年間でどれくらいの取引回数があったか。BtoCであればどれくらいの購入回数があったか。それが100億円なのか、1万円なのか、100回なのか3回なのかはビジネスによって異なりそうですが、「取引額(購入金額)」と「取引回数(購入回数)」で定義づけをおこなうのが比較的一般的でしょう。

 あとありえるとすれば、「取引年数」かもしれません。これはBtoCよりもBtoBのビジネスによりありえる定義だと思うのですが、「あの会社さんは30年前から取引をしている」みたいなアレです。現状の取引額はそれほどの金額ではなくても、長い目線、LTV(ライフタイムバリュー)の観点でいえば、「めちゃくちゃロイヤルカスタマーだ」という話になったりするわけです。

*ロイヤルカスタマーのもうひとつの観点

 上記で紹介した「取引額(購入金額)」と「取引回数(購入回数)」と「取引年数」に加え、現代社会のロイヤルカスタマーの定義に入るかもしれないものといえば、「SNSでの発信してくれる方(の数)」ではないかと思います。これは主にBtoCビジネスになりますが、「商品はあまり買わない(買えない)のだけれども、その良さや憧れをSNSで発信してくれているお客様」というような認識です。

 インターネット社会、ソーシャルメディア社会という情報が氾濫している時代になり、「人に知ってもらう」方法が単純ではなくなってきています。インフルエンサーとまではいかない一般的なソーシャルメディアのユーザーでも、「自社の製品やサービスについて発信してくれる」というのは非常に高い価値ではないかと思います。

 「取引額(購入金額)」「取引回数(購入回数)」「取引年数」のようなロイヤルカスタマーの指標のほかに、「SNSでの発信してくれる方(の数)」を指標に加えても良いかもしれません。サービスを利用してくれる方だけではなく、情報発信をしてくれる方も大切に。

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