ネットの数値が動くのはネットだけが理由じゃない。
先日、改めて「実行数値管理表」について説明する機会がありました。これはECMJの既存の顧問先で定例ミーティングの参加メンバーが増えたためです。説明をしながらも自分の中でいろいろと気づきがありました。
*「実行数値管理表」はすべての基礎
「実行数値管理表」はECMJコラムで何度も紹介しているのでご存知の方も多いと思います。また、ECMJの講演やセミナーをつうじて日々実践してくれている方もいるかもしれません。ECMJコラムを読んだだけで実践してくれている方がいたら、めちゃくちゃ嬉しいです。
そんな「実行数値管理表」(会社によっては「主要数値管理表」「数値管理表」という)。デジタルマーケティングを展開していく上での基礎です。マーケティングオートメーションを使っていても良いし、BIを使っていても良い。どんな高度なデジタルマーケティングツールを使っていてもいい。ただ「目的に繋がる数字を毎日みる。施策や改善事項、理由と特筆事項を毎日残す」がベースになります。
*施策と改善事項、理由と特筆事項はとにかく残す
「実行数値管理表」の作成で、止まりがちなのが「施策/改善事項」「理由/特筆事項」の入力です。数値の部分はツールから抽出すれば簡単に入力することができます。そして「データ分析」と考えると数値の入力の方が重要のように思ってしまいがちです。
しかし、本当に重要なのは、むしろ「施策/改善事項」と「理由/特筆事項」の方です。この部分が入力されていないと「仮説と次の施策のアイデア」に繋がりません。大切なのは「実行数値管理表」を日々つけることで「だとしたらこんなニーズがあるのではないか」と仮説を立て、「だったら次はこれをやってみよう」と次の施策を考えること。数値をみて「ふーんそうなっているのか」で終わってしまってはもったいないのです。
注意したいのは「施策/改善事項」と「理由/特筆事項」を怠らないこと。ここを継続することによってデジタルマーケティングのサイクルが回り始めます。
*ネットの数値が動くのはネットだけが理由じゃない
「実行数値管理表」に入力する数値はインターネット上の数値だけとは限りません。ただ、多くはWEBサイトから取得する数値になっています。特に活用するのが、ご存知Googleアナリティクスです。Googleアナリティクスから取得できるのはあくまでネット上の数値です。しかし、ネット上の数値が動くのはネットだけが理由ではありません。「理由/特筆事項」を入力する際はそれを覚えておきましょう。
たとえば、新聞広告に自社の実店舗のチラシを掲載したとします。はたまた自社のサービスを展示会に出展したとします。はたしてその反響、影響が出るのは「実店舗」や「展示会」だけなのか。チラシをみてインターネット検索をする人がいるかもしれない。展示会でサービスを知った後にホームページをみるお客様がいるかもしれない。商品やサービスを検討する際、ネットを経由しているのではないだろうか。
「ネットの数値が動くのはネットだけが理由じゃない」。これを覚えておくと、「実行数値管理表」のデータ分析がもっともっと面白くなります。そして「実行数値管理表」に必要な情報は「ネットの担当者だけではない」ことにも気づくと思います。
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