著者:石田 麻琴

認知と集客の「3+1」の方法、2019現在の市場環境は?②【no.1778】

(前回のコラムのつづき)

 認知と集客の「3+1」。現状のデジタルマーケティング市場環境からすると、はたしてどこを狙っていけばいいのか。2019年の現在を考えるコラムの2回目。前回は「お金を使って認知や集客を獲得する」インターネット広告と、「ユーザーの検索にヒットさせて認知と集客を獲得する」検索対策について紹介しました。今回は「3」の3つ目である、「メディア」の現在地について考えてみます。

*人が人へ情報を拡散することで認知と集客を獲得する

 3つ目の認知と集客の獲得方法は、「メディア」。人が人に情報を拡散することで、自社や自社の製品・サービス、自社のWEBサイトの認知が広がり、集客につながっていく。

 この「メディア」にはインターネット広告と検索対策とは異なる特徴があり、それは「人に面白がってもらうことで、人が勝手に情報を広げてくれる」ということ。厳密にいえば、「人」という部分は「法人」とか「会社」とか「マスメディア」とかさまざまな種類に分けられるのだけれども、ここでは「人」という言葉に集約してしまった。

 メディアの特徴は「人が勝手に情報を広げてくれる」なのだけれども、逆にいえば「興味がなければ人は情報を広げてくれない」ということで、これは「自分の場合」に当てはめてもらえればまったく理解がいくところなのだけれども、相当面白かったり、相当納得したり、相当感動したりしなければ情報の拡散をすることはないはずだと思う。

 ただ「話題になる」ことはいつもどこかしらでおこっていることで、テレビや雑誌などのマスメディア、インターネットのWEBサイトのようなネットメディア、facebookやInstagram、Twitterなどのソーシャルメディアの力はやっぱり大きいといえる。

*目的と対象を分析してメディアを選定する

 もう6年以上前に「3+1」の話を書いたときはテレビや雑誌などといったマスメディアはどんどん廃れていくと思っていた。ただ、2019年の現在でもマスメディアはマスメディアとして大きく存在しているままで、ソーシャルメディア含むネットメディアが双璧として並んできたといった表現の方が適切かもしれない。特に、ネットメディアよりもソーシャルメディア経由の情報(ソーシャルメディア内のネットニュースも含め)取得が強くなっている感がある。

 マーケティング的な活用としては、メディアを活用する目的と自社が伝えたいことの対象を選定してアプローチを仕掛けることがポイントだと思っていて、たとえばテレビや雑誌といったマスメディアについては、そのユーザー層が高年齢化しているので若年層へのアプローチにはあまり向かないと考えられる。かといって、ソーシャルメディアが若年層へのリーチに適しているかといえばそうでもなく、TwitterやInstagramはもちろん向いてはいるが、facebookは若年層(20代~30代前半)についてはほぼ「たまにタイムラインを見るだけ層」になっているのが現実。逆に、40代以上のアプローチであればfacebookはそれなりに有効となる。

 既存のマスメディアとネットメディア、ソーシャルメディア、ここにインターネット広告を加えても良いのだけれど、絶対的な違いは「成果を数字で測れない(測れなかった)」ことにある。

 たとえばテレビの情報番組に自社のサービスが取り上げられたとしても、以前は「売れたか売れなかったか」くらいしか評価の基準がなかった。ただ今は、WEBサイトのアクセス数やソーシャルメディアの「いいね」の伸びなどでその成果を検証することができる。こういったことができるようになってきているから、リアルのデジタル化、マーケティングのデジタル化がより加速するわけだし、好き嫌い関係なく「とりあえず知っておく」ことが大切になるわけだ。

(つづく)