マーケティングにおける「広告投資」の考え方。後編です。(前回のコラムはこちら)
前編では「広告投資」の役割について、「マーケティングの『判断材料』としての広告投資」をご紹介しました。後編では「実をとる広告投資」について考えていきます。
*CPAとLTVの考え方を知っておく
「広告投資」が果たす役割は「認知の拡大」と「売上アップ」のふたつが主です。「認知の拡大」については、そのリーチ数が目標達成の指標になります。「売上アップ」を目的としたときに知っておきたいのがCPAとLTVのふたつの考え方です。これはECMJコラムを読んでくれている方だと「またか!」という部分かもしれません。
CPAとLTVの違いをシンプルに解説します。「広告費がペイしているかを広告掲載の時点だけで判断するのがCPA」。「広告費がペイしているかをお客様の継続で判断するのがLTV」。あくまでシンプルに表現した場合です。CPAが「Cost Per Acquisition/Cost Per Action」の略。「売上アップ」を広告投資の目的とするならば「Cost Per Acquisition」の方が近いです。また、LTVは「Life Time Value」です。Life Time Valueは広告以外のところでも聞いたことがある言葉かもしれません。
当然ですが、CPAに比べてLTVは長いスパンでの収益化を考えます。「広告投資」の考え方としてはLTVの方が若干ユルくなります。
*大切なのはデータを残しておくこと
「広告投資」の判断をする場合、大切になるのがデータを残しておくことです。「当たり前だ!」と思われるかもしれませんが。しかし「広告投資」はお金をかけておこなうアクションなので、どこか「お金をさらにいくらかけるか」の話になりやすく、「広告投資」後には広告の検証というよりも「次、何の広告にお金をかけるか」という雰囲気になりがちです。
広告はどうしても気持ちを前に前にいかせてしまいます。「広告=お金」ですが、人は「お金を掛ける」ごとにお金に支配されるのです。これが「広告は麻薬」と言われる所以です。自分たちが広告について麻痺してしまいます。ここは冷静に「広告投資」を分析し、そのデータを残しておきましょう。
データとして残すのは、「いつ(期間やタイミング)、どの広告(リスティング広告やアフィリエイト広告)に、どんな情報(画像やテキスト、製品やサービス)を掲載し、どれくらいの成果(アクセスやコンバージョンや売上)が出たか」です。これはどのような広告に出稿したとしても残しておきたい普遍のデータです。逆に、このデータを残さずに次の「広告投資」をスタートしていたら、それこそ「タチの悪いギャンブル」です。
*いずれにせよいつか「広告投資」は必要
「1→10」にするためか「10→100」にするためか「100→10,000」にするためか。いずれにせよいつかどこかで「広告投資」は必要になります。SNSやコンテンツマーケティングの活用でインターネット上から「お金ではなく時間というコスト」で認知を拡大できる方法も広がっています。しかし、再現性や確実性を求めるならば「広告投資」は欠かせません。
SNSの活用はあくまで拡散の判断は「情報の受信側」にあります。またコンテンツマーケティングは集客につながるまでの明確な時間軸がありません。「広告投資」なら成果の検証をおこないながら再現性のある方法を探すことができます。
そしてその方法が見つかれば、「商品力(サービス力)×提案力×集客力」の計算式の「集客力」を倍、3倍と上げていけばいいのです。ここまで到達すると、ビジネスとして非常にシンプルです。もっともここまで到達するのが大変なのですが。
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