数字(データ)の変化には必ず何かの理由があります。それはビジネスを運営している自分たちが「発見できるか」「発見できないか」に関わらず、必ずどこかに理由はあるのです。そしてその理由(潜在的なものを含め)を探し続けていくのが「マーケティング」活動だとも言えると思うのですが、今日はこの数字の「上がる理由」と「落ちる理由」、特に「落ちる理由」について書いていきます。
*数字が落ちる理由はとてもシンプル
野村克也監督の有名な言葉である「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」を聞いたことがあるという方も多いと思います。「なんかよくわからないけど勝てちゃった」はあるけれど、「なんかよくわからないけど負けちゃった」はないという言葉なんですね。「負け」にはわかりやすい理由があると。ノムさん的には「だから負けの理由をつぶしていけば負ける確率が減る」ということが言いたいのではないかと思います。
数字(データ)も一緒で、数字が「上がる理由」はわかりづらいですが、数字が「下がる理由」は比較的わかりやすかったりします。特に短期間で一気に数字が落ちたときには「わかりやすい理由」があります。まず疑うべきなのは内的要因としての「自社のポカ」です。
*笑ってはいけない「自社のポカ」
短期間で一気に数字が落ちたときにまず疑うのは「自社のポカ」です。「気づかないうちにやっちゃってた」もしくは「気づいてたけど言い出せなかった」みたいなもので、基本的には自分たちでコントロールすることができる「内的要因」なので、早めに気づくことができれば最小限で止血をすることができます。ただ「自社のポカ」そのものが「今さらそんなミスを犯すわけないだろ」ということだったりするので、見逃されたまま時間だけが過ぎてしまうことがあります。シンプルなことほどルーズになりがちなのです。
たとえば売れ筋の在庫が切れっぱなしになっていたとか、発注の確認ミスで大量の品切れがおこっていたとか、ネットだと導線のページが落ちてしまっていたとか販売期間が過ぎてしまっていたとか。以前聞いた話で、「ニット」で検索対策をしようとしていた会社さんが「ニット」の「ニ」を漢数字の「二」で登録してしまい、全く検索にヒットしなくなった、という話を聞いたことがあります。
あんまりないケースのような気がしますが、「思い込み」が起こってしまうようなシンプルなポカはわりと笑えません。
*「自社のポカ」じゃなければ外的要因
短期間で一気に数字が落ちたとき、「自社のポカ」を調査して問題がなかったとすれば、理由は自分たちでコントロールすることができない「外的要因」ということになります。「外的要因」を起こすのは「市場」と「競合」の変化です。しかも短期間で一気に数字が落ちているわけですから、相当強いかつわかりやすい「外的要因」があったと想像できます。
自社のことではない「外的要因」ですから、数字の変化の後「100%要因を特定できる」わけではありません。ただ、普段から市場や競合をチェックしておくと、何となく理由を掘り起こすことができます。競合のWEBサイトを定期的に確認したり、ニュースサイト(新聞でも雑誌でもいいですが)を定期的に確認しておくことで変化を感じることができます。事後にソーシャルメディアで検索をかけるのもおすすめです。
*大切なのは「下がったことに気づく」ということ
今日のECMJコラムのポイントは、数字が「下がったことに気づく」仕組みを自社のマーケティング活動に入れておくことが大切だということです。数字が下がったことに気づくのが「翌日」なのか「1ヵ月後」なのかによって、「自社のポカ」による出血や「外的要因」の特定のレベルが変わってきます。そのためにも重要なのは、「日々数字をみる」ということです。
ECMJのコンサルティングはこのような、マーケティングの土台を組織に習慣化することによってクライアント様のマーケティングレベルを高めていきます。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。お待ちしています。